……グルメ界に眠る怪物、四獣が人間界に襲いかかる。人間は恐怖のどん底へと陥り必死で避難する。その中でも国際連合軍は戦おうと近代兵器を突入させた。だが、人類の兵器は四獣を止めることはできなかった。

ココはインバイトデス、サニーはキングオクトパスコング、ゼブラはマウントタートル、トリコは牙王と対峙する。しかし、牙王の捕獲レベルは127であった。さらにインバイトデスは捕獲レベル140、キングオクトパスコングは捕獲レベル137……どれも予想をはるかに上回っていた。

果たしてトリコたちは、四獣を止めることができるのか!?



☆☆☆☆☆


「トリコさん……！」


私とリンちゃんは肉眼で、小松さんは双眼鏡でトリコの戦いを見守る。様子からして牙王の捕獲レベルが127でも、トリコは焦っている様子はない。そして私にはもう一つ気になることがある。


〈クゥ……〉

「フィルも気になるの？」

〈クゥ〉


私やフィルだけでなく、テリーも一度見た人間界の中心部に何かとてつもないことが起こりそうな気がする。この四獣との戦いと同等……いや、それ以上の脅威がいる感じ。

……瑞貴が人間界の中心部へ危惧している中、トリコを乗せたテリーは持ち前の素早さで牙王を翻弄し、牙王が踏みつけた衝撃でできた瓦礫に乗って懐へと潜り込んだ。


「36連……ツイン釘パンチ!!」

〈ガアアァァアアア!!〉


ツイン釘パンチをマトモにくらった牙王は、両前足が浮かぶほど衝撃を受けて地に伏せた。


「捕獲レベル127だろうが関係ねぇ！」



☆☆☆☆☆


……キッスに乗っているココはターバンと包帯を解いて戦闘態勢になっているが、先ほどからインバイトデスにココの毒が通用していなかった。


「僕の毒が効いていない……ここまでの抗体を持った生物は人間界にはいないな。これが四獣か……――ん？」

〈ブオオォォ……！〉


インバイトデスは鼻から伸びている触覚を真っ直ぐにすると、体から鼻、そして触覚へ伝ってココに向かって毒の弾丸を吐き出した。


「キッス！」

〈アﾞァﾞーッ！〉


キッスは体を回転させて毒をかわそうとしたが、その際に左の防具が毒の弾丸に当たって外れると、空中であっという間に跡形もなく溶けてしまった。