最凶! イクサルフリート‼
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ブラックホールに対抗するコズミックプラズマ光子砲に必要な四つの石はそろった。だが、ニセ剣城が本性を現し、水川みのり――ポトムリ=エムナトルと共にギャラクシーノーツ号を去る。偽者がいたという事実にアースイレブンはショックを抱えたが、本物の剣城京介の救出をするために決勝戦へ意気込みを入れる。同時に、神童拓人は黒岩流星の『サッカーの神になる』というほどの、サッカーへの狂気に恐怖した。
それぞれの想いを抱え、アースイレブンはついに決勝戦の地である惑星ファラム・オービアスに辿り着いた。その背後は、今にも星を呑みこまんとするブラックホールの存在もある。
アースイレブンと円堂瑞貴と黒岩流星はコーディネーター・イシガシ=ゴーラムの案内により飛行船に乗り、ファラム・オービアスの街の上空を飛ぶ。普段なら自分たちの星よりも遙かに進んだ近代的な文明に目を見開いたりするが、今回はそうはいかない。――何せ、決勝の地でありチームメイトを誘拐した本拠地でもあるのだから。
「前方に見えるのがスタジアムです」
(あそこが、俺たちの最後の戦いの場……!)
イシガシが示すグランドセレスタスタジアムを見て、天馬は自然と気を引き締めると振り向いて全員に鼓舞を入れる。
「みんな勝とう! 勝って地球を――宇宙を救おう! そして剣城を助け出すんだ!」
「「「「「オウッ!」」」」」
「――決勝を戦う前に話しておこう」
「「「「「?」」」」」
「今日この限りで――私はアースイレブンの監督から退くことにする」
「「「「「!?」」」」」
黒岩が告げた唐突の退職宣言に、天馬たちは目を見開いた。
――ギャラクシーノーツ号に戻ったあと、黒岩は即座に荷物をまとめた。といってもバッグ一つ分しかなかったが。瑞貴と共に廊下を進む黒岩は最後にと彼女に告げる。
「私がいない今、監督はお前だ。やるべきことは、わかっているな」
「はい……」
ここに来るまで瑞貴は何度か黒岩を止めてみたが、彼は頑なだった。それどころか、もうすでに次の手を打っているのか行動も以上に速い。
(黒岩監督は……影山さんは、これからどうするつもりなの……?)
瑞貴の胸の中が不安で一杯の中、黒岩が扉を開くと外では待ち構えていたのか天馬と神童がいた。
「天馬……拓人くん……」
「監督を辞めるって、どういうことですか!?」
「…………」
「黒岩監督!」
「お前たちに私はもう必要ない。私は、私を必要としている者たちの所へ行くのだ」
「このチームを出て、どこへ行くというんですか!? ここは地球じゃないんですよ!?」
「フッ……」
「監督!」
天馬と神童が言葉をかけても、黒岩は笑みを浮かべて去って行った。
「まさか拓人くんもここにいるとは思わなかったよ。黒岩監督のサッカーに対する想い、聞いたんでしょ?」
「はい……。あの人の心は、狂気の中にある……だが、俺たちがここまで来られたのは、あの人の狂気があってこそだったのかもしれないと、今はそう思います」
「…………」
神童も天馬も今までのことを思い返す。言葉足らずで何度もその意味を理解するに時間がかかったが、黒岩の指示も采配も全てが的確でチームの成長に繋げてくれた。そしてチームを勝利に導いてくれた。
「二人は、輝くんが入部したときのことを覚えている? 彼は一度、入部をあきらめた。理由は――自分の身内」
「そういえば輝は、黒岩監督の……!」
「そう。そして、私たちが彼になんて言ったのかも思い出せるかな?」
「…………!」
雷門中サッカー部の影山輝は、黒岩――影山零治の甥だ。瑞貴を含める十年前に雷門中に所属していた者やサッカー界に大きな影響を与えた彼の身内だから、名前を言えば入部を許されないと思った。
瑞貴たちが当時の黒岩に狙われ、時には命の危機も晒された。それは今でも許せないと思っているし、これからも許すつもりはない。だが、黒岩は本当は心からサッカーを愛していた。そしてきっと今も。
「『狂気』は確かに怖いものだけど、その力に振り回されず己のモノにし『武器』へと変えると、ただ真っ直ぐに進むだけじゃ見えない景色が見える。あの人はそれを自ら先陣を切って私たちに見せてきたんだよ」
「……瑞貴さんは、黒岩監督がこれから何をしようしているのか知っているんですか?」
「俺も知りたいです! 黒岩監督は、このチームを出てどこへ!?」
「その答えをもう二人は聞いたでしょう。……あの人を必要としている所へ行ったんだよ」
またもハッキリとした答えを言ってくれない瑞貴。だが、神童と天馬はそう告げた瑞貴の表情が悲しそうに見えたので、彼女もまた黒岩の脱退に心を痛めているのだと感じるのだった。
それぞれの想いを抱え、アースイレブンはついに決勝戦の地である惑星ファラム・オービアスに辿り着いた。その背後は、今にも星を呑みこまんとするブラックホールの存在もある。
アースイレブンと円堂瑞貴と黒岩流星はコーディネーター・イシガシ=ゴーラムの案内により飛行船に乗り、ファラム・オービアスの街の上空を飛ぶ。普段なら自分たちの星よりも遙かに進んだ近代的な文明に目を見開いたりするが、今回はそうはいかない。――何せ、決勝の地でありチームメイトを誘拐した本拠地でもあるのだから。
「前方に見えるのがスタジアムです」
(あそこが、俺たちの最後の戦いの場……!)
イシガシが示すグランドセレスタスタジアムを見て、天馬は自然と気を引き締めると振り向いて全員に鼓舞を入れる。
「みんな勝とう! 勝って地球を――宇宙を救おう! そして剣城を助け出すんだ!」
「「「「「オウッ!」」」」」
「――決勝を戦う前に話しておこう」
「「「「「?」」」」」
「今日この限りで――私はアースイレブンの監督から退くことにする」
「「「「「!?」」」」」
黒岩が告げた唐突の退職宣言に、天馬たちは目を見開いた。
――ギャラクシーノーツ号に戻ったあと、黒岩は即座に荷物をまとめた。といってもバッグ一つ分しかなかったが。瑞貴と共に廊下を進む黒岩は最後にと彼女に告げる。
「私がいない今、監督はお前だ。やるべきことは、わかっているな」
「はい……」
ここに来るまで瑞貴は何度か黒岩を止めてみたが、彼は頑なだった。それどころか、もうすでに次の手を打っているのか行動も以上に速い。
(黒岩監督は……影山さんは、これからどうするつもりなの……?)
瑞貴の胸の中が不安で一杯の中、黒岩が扉を開くと外では待ち構えていたのか天馬と神童がいた。
「天馬……拓人くん……」
「監督を辞めるって、どういうことですか!?」
「…………」
「黒岩監督!」
「お前たちに私はもう必要ない。私は、私を必要としている者たちの所へ行くのだ」
「このチームを出て、どこへ行くというんですか!? ここは地球じゃないんですよ!?」
「フッ……」
「監督!」
天馬と神童が言葉をかけても、黒岩は笑みを浮かべて去って行った。
「まさか拓人くんもここにいるとは思わなかったよ。黒岩監督のサッカーに対する想い、聞いたんでしょ?」
「はい……。あの人の心は、狂気の中にある……だが、俺たちがここまで来られたのは、あの人の狂気があってこそだったのかもしれないと、今はそう思います」
「…………」
神童も天馬も今までのことを思い返す。言葉足らずで何度もその意味を理解するに時間がかかったが、黒岩の指示も采配も全てが的確でチームの成長に繋げてくれた。そしてチームを勝利に導いてくれた。
「二人は、輝くんが入部したときのことを覚えている? 彼は一度、入部をあきらめた。理由は――自分の身内」
「そういえば輝は、黒岩監督の……!」
「そう。そして、私たちが彼になんて言ったのかも思い出せるかな?」
「…………!」
雷門中サッカー部の影山輝は、黒岩――影山零治の甥だ。瑞貴を含める十年前に雷門中に所属していた者やサッカー界に大きな影響を与えた彼の身内だから、名前を言えば入部を許されないと思った。
瑞貴たちが当時の黒岩に狙われ、時には命の危機も晒された。それは今でも許せないと思っているし、これからも許すつもりはない。だが、黒岩は本当は心からサッカーを愛していた。そしてきっと今も。
「『狂気』は確かに怖いものだけど、その力に振り回されず己のモノにし『武器』へと変えると、ただ真っ直ぐに進むだけじゃ見えない景色が見える。あの人はそれを自ら先陣を切って私たちに見せてきたんだよ」
「……瑞貴さんは、黒岩監督がこれから何をしようしているのか知っているんですか?」
「俺も知りたいです! 黒岩監督は、このチームを出てどこへ!?」
「その答えをもう二人は聞いたでしょう。……あの人を必要としている所へ行ったんだよ」
またもハッキリとした答えを言ってくれない瑞貴。だが、神童と天馬はそう告げた瑞貴の表情が悲しそうに見えたので、彼女もまた黒岩の脱退に心を痛めているのだと感じるのだった。