凸の行方
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そんな中でも我らが赤ずきんの声はよく通る。
呼ばれたので素直に後ろを振り返った時、あの冷たい廊下の場面に似ていて一瞬だけ息が詰まった。しかし夏目はそんな事など微塵も思っていないだろう。教室から続々と出てくるクラスメートに囲まれながらニコニコ笑顔で俺に手を振っている。嗚呼、夢で見た状況にも似ているな。
「先生、私頑張りますから!」
おう、と短く返事をしてやれば、先に行ってしまった神楽達を追い掛ける為に走り去ってしまう。
“頑張りますから"。
違う、俺が聞きたいのはそういう事じゃない。
「誰かこの違和感取ってくれー……」
職員室に戻るや否や机に突っ伏した俺を、憐れんだ目で痔の戦士が見下ろしてくる。見世物じゃねぇぞコルァ。その目にボ●ギノール塗りつけるぞコルァ。
「良い肛門科紹介してやろーか」
「そこの違和感の話じゃねぇよ!!!お前と一緒にすんな!!」
「なんだと!?」
「俺ァ真剣に悩んでんだっつの!!!」
「悩むぅ?お前がぁ?」
散々馬鹿にした言い方をした挙句、最後の最後は鼻で笑いやがったなこいつ…。俺が悩んでたら悪いのかコノヤロー。こっちは寝ても覚めても赤ずきんなんだよ!どうすりゃ良いか分かんねーんだよ!!
「借金の返済ならここのローンが…」
「だぁかぁらぁ、そんな汚い悩みじゃねぇんだよ!もっと、こう…なんつーのかな……キラキラしてるな」
「歌舞伎町の女なんかに振り回されんなよ」
「そういう意味のキラキラじゃねぇ!!」
「じゃあ何だ?恋患いか」
「はぁっっ!!?」
恋患いって何それ、オイシイの?聞いた事のある単語は俺の日常とはどう考えても似合わない。どれだけ目を凝らして探してみても、俺という人間に恋の患いは、無い。…と、思う。
「いやいやいやいやいやいやいやそれは無い無い無い無い無い無い無い」
「そんなに動揺してる奴が何言ってんだ、ちょ、気持ち悪い、半径1メートル以内に近づかないで」
言いたい事だけ言いやがったアイツは、何事も無かったかのように行ってしまった。……え、何この放置プレイ。
余計なひと言のせいで、体に引っ掛かっていた違和感が更に大きくなった。恋?誰が?え、俺?無い無い。からかわれた言葉の一つをこんなに気にする事など無い。
…と言い聞かせてみても、ここまで必死に否定してる自分が居る事が不思議だった。
え………無い無い無い、それは無い、そもそも相手誰よ。昨日見たAVの姉ちゃん?でも顔はあんま好みじゃなかったしなー、いや、大事なのは企画性か?
「あ゛ー、わからん」
妙にイライラした声が虚しく職員室に響いていた。
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