一歩を踏んで
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【おまけ】
彼が夏目と会ったその日の夜、高杉の携帯にバイト先から電話がかかってきた。めんどくせェ、と思いながらも渋々それに出てみれば、それは同じバイト仲間からであった。
「高杉っ、おま、俺のゼリー食っただろ!?」
「あぁ?(俺は)食ってねぇよ…。しかも何で俺に聞くんだよ。他の奴かもしれねーだろ」
「お前の名前が書いてある缶ジュースが机に置いてあったんだよ!!」
「黙れ、それは缶ジュースじゃない、カクテルと言え」
「訳分からんわ!!」
「でも考えてみろ。そのゼリーはゴミ箱に捨ててあっただろ?俺がゴミをゴミ箱に捨てるような奴だと思うか?」
「ああ確かに……ってお前自分でそんな事言って悲しくないか?」
「ならカクテルだけ捨てないでゼリーだけ捨てたってのも可笑しな話だろ。俺はそんな小細工はしねぇ。食べたなら食べたでそのまま机に残しておく」
「それ胸張って言える事か?……でもまぁそう言われればそうだよなぁ……誰か別の奴が間違えて食ったのかな……」
「そうだ、それは別の奴(夏目)が食ったんだよ、分かったなら切るぞ」
「あ、ちょっと待て」
「何だよ」
「後で代わりのモン入れとくから、お前のアイス食って良いか?」
「………俺アイスなんか入れてねーけど…」
「?でも裏にちゃんと自分の名前書いてんぜ?…珍しく漢字で書いてるけど?」
「!……(……そういやアイツ帰りにアイス持ってなかったな……)」
「…おーい、高杉ー?」
「絶対に食うな、食ったら殺す」
「怖っ!?おま、そんなにアイス好きだったっけ?…あ、じゃあお前の飲みかけのスポーツドリンクはもらっ…」
「それに口つけてみろ、今日の夜道には気をつけろよ」
「殺人予告!!?何!?お前スポーツドリンクを友人にやれねぇ程心が狭いのか!!」
「取り合えず俺の名前が書いてあるやつには口をつけるな、んでもってテメーのゼリーを食ったのは俺じゃねぇ(それは夏目だ)、もう切るぞ、じゃあな」
「あ、おい、待っ……!!」
ツーツーツー。
「………寝よ」
今度アイスを買いに来た時、温めましょうか、と聞くのは勘弁してやろうと思った高杉君はさっさと寝たのでした…。
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