待ってけ真実!
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その同時刻、
射的の催し物をしていたクラスから、空気銃が2本盗まれたという通報が風紀委員に寄せられた。それは沖田の携帯にも入り、見つけたら犯人をすぐに取り押さえろという警告文もひっついていた。
「赤ずきん情報アルか?」
「違った」
隣に居る神楽は赤ずきん捕縛に燃えていて、昨日の味方は今日の敵、と楽しそうに良いながら捕縛の決意を示すかの如く拳を天高く伸ばしたりしている。その手に持たれているのは国旗ではなく、はたまたZ組連合国の旗でもなく、今まさに盗難届けが出されているあれだった。
「どこに隠れてるのかしら…」
そんな神楽の横で、悩ましげに呟いたのはお妙。右手を頬に添え、男がグッとくる心理を心得ているのか可愛らしい角度で首を傾げている。そして左手は「早く捕まえたい」という高ぶりを押さえ込んでいるのか、自分の胸元を優しく掴んでいる。そんな右脇には、今まさに盗難届けが出されて(略)。
まさか犯人が隣に居るとは沖田も思っていなかったのでどうするべきかと考えたが、武器を持ったこの2人と戦って無傷で終えれる気がしなかったので、“俺は見なかった作戦”を決行した。
元々、偶然廊下ではちあっただけで、共に行動をしている訳ではない。早々と2人と別れた沖田は、特別棟を歩く高杉(手には頭有)を見かけたが、これも見なかった作戦の名の下に一切の仕事を放棄した。
自分で仕掛けた赤ずきん捕縛大作戦は、昨日の話題性もあり多数の生徒が参加している。賞金など出る訳がないのに、ノリが良い雰囲気のお陰で大盛況だった。
しかしつまらないのは、副委員長兼副部長、またの名を赤ずきんの母親が手早く保護をしたらしく、何処かに隠れているらしい。逃げ回る姿を見れないのは実につまらなかった。
「(まさか銀八と一緒な訳は無いですよねィ)」
山崎の情報によると、昨日は屋上に潜んでいたらしい。それも高杉と銀八と。珍しい組み合わせではないものの、彼女と銀八が一緒に行動している事は少し附に落ちなかった。
捕縛大作戦をけしかけた当事者が心配するのもおかしなものだが、土方と同じように「肋骨と鎖骨それぞれ1本ずつぐらい折れれば良いのにな」というけん制はしておきたかった。
必要以上に赤ずきんと接触されると、フォローに回らなければいけない剣道部が大変なのだ。…と行ってもフォローにまわってるのは主に土方だけで、それも彼女に頼まれてやっている訳ではない。皆勝手にしてるだけだった。
念の為、本当に念の為に職員室に向かうとそこには文化祭に一切溶け込もうとしていない服部の姿があった。外とは空気が少し違っていて、中に入れば文化祭の賑わいがくぐもって聞こえた。
服部は職員室の留守番係だと言っているが、実際は動くのが面倒だからここに居るに違いない。
気だるそうに授業のプリントの準備をしている服部に赤ずきんの行方を聞いてみたが、さっき出て行ったと言われてしまった。
「さっきまで居たって事ですねィ?」
「なんか担任に怒られてな」
「銀八っつァんに……?」
おのれ赤ずきんやっぱり銀八と接触してしまったか。そう毒づきたかったが、別に彼女は悪くない。成り行き上で、怒られる羽目になってしまったのだろう。そのネタに関しては後日からかうとして……、沖田は一度ぐるりと職員室を見回した。確かにここに服部以外の気配は感じられない。
「銀八先生はどこへ?」
「さあな。急に立ち上がって黙ってどこかに行ったっけ…?赤ずきんでも追いかけてんじゃねぇの」
「そりゃいけねェや。すぐ赤ずきんを保護しねぇと」
教えてくれた服部に礼を言って、また賑やかな外へと出ようとした。その時、銀八の机の上に煙草とまだ解けていない知恵の輪が置いてあるのが見えた。
「知恵の輪……?銀八が?珍しい事もあったもんでィ」
教師のくせに頭を使うのが大嫌いな銀八が、知能を試す知恵の輪で遊ぶなんて考えられなかった。
「結局はずせてないけどな」
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