旅中閑話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
時は戦国。
それも直に終りを告げるであろうという時である。
信玄より密命を受けた幸村は、稲吾と二人、京に向けて旅を続けていた。
そう、密命なのだ。だから、幸村の居所は他に知られてはならない。
極力目立たぬように、彼も大人しく、大人しく、と自分に何度も言い聞かせながら旅路を急いでいる。
「稲吾、疲れていないでござるか?」
「はい、大丈夫です。源二郎様はいかがですか?」
「元気でござるよ!」
ほぼ休憩なしな上、歩く速度も相当だったが、稲吾も元は忍。このくらいで根を上げる訳にはいかないし、まだまだ余裕だ。
心配そうな幸村に笑顔で返す。ちなみに、「幸村」の名前は有名過ぎるのでしばらく封印だ。
彼もにこっと爽やかな笑みになってまた前に進み出した。稲吾はその背を見て、また気合いを入れ直す。
気付けば初めての二人旅となって、発つ前に佐助からは散々冷やかされたが今のところ何もない。
彼が期待するような事も、心配するような事も。
さすがは幸村様です!
真面目に任務にあたる恋人兼主君へ改めて尊敬の眼差しを送ると、稲吾は軽やかな足取りで後に付いていった。
【旅中閑話】
それも直に終りを告げるであろうという時である。
信玄より密命を受けた幸村は、稲吾と二人、京に向けて旅を続けていた。
そう、密命なのだ。だから、幸村の居所は他に知られてはならない。
極力目立たぬように、彼も大人しく、大人しく、と自分に何度も言い聞かせながら旅路を急いでいる。
「稲吾、疲れていないでござるか?」
「はい、大丈夫です。源二郎様はいかがですか?」
「元気でござるよ!」
ほぼ休憩なしな上、歩く速度も相当だったが、稲吾も元は忍。このくらいで根を上げる訳にはいかないし、まだまだ余裕だ。
心配そうな幸村に笑顔で返す。ちなみに、「幸村」の名前は有名過ぎるのでしばらく封印だ。
彼もにこっと爽やかな笑みになってまた前に進み出した。稲吾はその背を見て、また気合いを入れ直す。
気付けば初めての二人旅となって、発つ前に佐助からは散々冷やかされたが今のところ何もない。
彼が期待するような事も、心配するような事も。
さすがは幸村様です!
真面目に任務にあたる恋人兼主君へ改めて尊敬の眼差しを送ると、稲吾は軽やかな足取りで後に付いていった。
【旅中閑話】
1/6ページ