【KOUKI】ディープ・ナイト
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午後10時、という比較的早い時間に解散となった前期慰労会。
酔っ払って帰宅できるか怪しいメンバーから、彼らを介抱できる程度にはしっかりしている者までレベルは様々だ。
早々に酔い潰れたのは衛藤昂輝ただ一人だが。
危険度の高いメンバーをタクシーに押し込んだ後の座敷は、比較的静かだ。
名前は衛藤に寄り掛かられたままのため、後で動くことになっている。
送迎を終わらせた同期の男子学生がひょっこり帰ってきた。
「お疲れ、名字」
「……お疲れ」
名前は溜息を吐きながら返す。
同期は苦笑を浮かべながら奥の方へとやってくる。
「こいつ大丈夫か?」
「……何が」
言葉が足りない問い掛けに、怪訝な表情を浮かべるしかなかった。
そんな自分を余所に、同期は衛藤を指差し、言葉を続けた。
「帰り。これ、結局起きる気配なくね?」
すぐ近くに見える顔は全く変わることなく、呑気なものである。
自身を案じる会話が交わされているとは露ほども思っていないだろう。
「取り敢えず出るか」
「了解」
同期の提案に、名前はすぐ頷く。
このまま帰宅不可のためホテル宿泊、なんてシャレにならない。
衛藤は同期の男子学生に頼み、名前は2人分の荷物を持って店を出る。
店の外には、電車で帰るメンバーが残っていた。
「なー、誰かコイツの家どこにあるか分かるー?」
衛藤を背負って出てきた同期が問いかけるが、首を縦に振る同期が誰一人としていない。
「さぁ……」
「わかんない」
「衛藤って寮住みじゃなかったっけ?」
ゼミ長の指摘に全員が「あっ」と声を上げた。
「あー、事務所の」
「ってことは俺らが行ったらやばくね」
「うわ出た週刊誌」
「それはいくら何でも……」
「だよなぁ」
同期との会話で、余計に状況の対処法が思い浮かばなくなった。
再び溜息を吐く。
てかさ、と一人の同期が口を開いた。
「お前が逆お持ち帰りしちゃえば?」
名前に向けた下らない提案に、頭を抱えるしかなかった。
深い溜息とともに、ギロリと睨み上げる。
「ふざけたこと言ってると殴り飛ばすぞ」
威圧するように出た低い声。
ひょえっ、と情けない声を出した同期はすぐさま謝罪の体勢に入った。
「悪かった、冗談だって! お前の殴り飛ばすは洒落にならないからやめて俺死んじゃうからっ」
「……あ、そ」
そっぽを向けば、同期や先輩の笑い声が響く。
「なっさけねぇなぁ、お前」
「いや先輩こいつの鉄拳受けたことないから言えるんですよそれッ!」
下らない会話が続く。
同期に背負われたままの衛藤は、身動き一つしていなかった。
酔っ払って帰宅できるか怪しいメンバーから、彼らを介抱できる程度にはしっかりしている者までレベルは様々だ。
早々に酔い潰れたのは衛藤昂輝ただ一人だが。
危険度の高いメンバーをタクシーに押し込んだ後の座敷は、比較的静かだ。
名前は衛藤に寄り掛かられたままのため、後で動くことになっている。
送迎を終わらせた同期の男子学生がひょっこり帰ってきた。
「お疲れ、名字」
「……お疲れ」
名前は溜息を吐きながら返す。
同期は苦笑を浮かべながら奥の方へとやってくる。
「こいつ大丈夫か?」
「……何が」
言葉が足りない問い掛けに、怪訝な表情を浮かべるしかなかった。
そんな自分を余所に、同期は衛藤を指差し、言葉を続けた。
「帰り。これ、結局起きる気配なくね?」
すぐ近くに見える顔は全く変わることなく、呑気なものである。
自身を案じる会話が交わされているとは露ほども思っていないだろう。
「取り敢えず出るか」
「了解」
同期の提案に、名前はすぐ頷く。
このまま帰宅不可のためホテル宿泊、なんてシャレにならない。
衛藤は同期の男子学生に頼み、名前は2人分の荷物を持って店を出る。
店の外には、電車で帰るメンバーが残っていた。
「なー、誰かコイツの家どこにあるか分かるー?」
衛藤を背負って出てきた同期が問いかけるが、首を縦に振る同期が誰一人としていない。
「さぁ……」
「わかんない」
「衛藤って寮住みじゃなかったっけ?」
ゼミ長の指摘に全員が「あっ」と声を上げた。
「あー、事務所の」
「ってことは俺らが行ったらやばくね」
「うわ出た週刊誌」
「それはいくら何でも……」
「だよなぁ」
同期との会話で、余計に状況の対処法が思い浮かばなくなった。
再び溜息を吐く。
てかさ、と一人の同期が口を開いた。
「お前が逆お持ち帰りしちゃえば?」
名前に向けた下らない提案に、頭を抱えるしかなかった。
深い溜息とともに、ギロリと睨み上げる。
「ふざけたこと言ってると殴り飛ばすぞ」
威圧するように出た低い声。
ひょえっ、と情けない声を出した同期はすぐさま謝罪の体勢に入った。
「悪かった、冗談だって! お前の殴り飛ばすは洒落にならないからやめて俺死んじゃうからっ」
「……あ、そ」
そっぽを向けば、同期や先輩の笑い声が響く。
「なっさけねぇなぁ、お前」
「いや先輩こいつの鉄拳受けたことないから言えるんですよそれッ!」
下らない会話が続く。
同期に背負われたままの衛藤は、身動き一つしていなかった。