2.『悪女』殲滅作戦?
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険しい表情をした美丈夫、というのはかなりの威圧感がある。その背後に身長のある男がいれば尚更だ。
自分の身長による周囲への威圧感を自覚している大は、目の前にいる腐れ縁の首根っこを掴んで路地裏から離れようとしていた。
「……なぁ、やめないかコレ」
「絶対やだ」
しかし一度決めたら早々考えを変えることの無い腐れ縁もとい翼に、制止は効果が無いに等しい。手を離してしまえばそのまま追いかけ続けるだろうことは想像に容易い。
大は深い溜息を吐きながら、翼の視線の先を見る。
グレー地の、ごく一般的なパンツスーツを着た女性。癖のない黒髪を低い位置で結び、化粧は薄め。
なぜ彼女を翼が追っているのかと言えば――。
「里津花のこと弄んでるんだとしたら、許さないんだからなっ!」
「お前な……」
里津花の事を利用している悪女ではないか。それを確かめるべく追っている、というのが翼の言い分である。
「だっておかしいだろ?! 里津花が頻繁に飯作ってあいつに渡してるって! しかもデートっぽいことした形跡ゼロ! どう見たって利用されてる彼女と釣った魚には餌やらない彼氏の図!」
「性別逆だろ」
「それと同じだって言ってんの! 性別の問題じゃない!」
小声でいつもの口論をする大と翼は、どう考えても目立つ。
実際、翼が追っている女性も一瞬こちらを見た。かなり怪訝な表情で。
「って、喋ってるうちにあいつ行っちゃったじゃん!」
「真っ直ぐ行ったよ」
「それを先に言えっつーの!」
何の前に、とは言わないでおく。
パンプスを履いているとは思えない速度で歩く女性をコソコソと追う翼と、その後に続く大。
いつ女性に指摘されても不思議はないのだが、翼は全く想定できていないようだ。化け物じみた偏差値の大学を卒業し、大学院に通っている程の頭脳だというのに、悲しいことである。
大の予感は的中。
女性は徐々に歩く速度を早め、ついに走り出した。
「あんのやろっ」
「俺達がつけてんのバレてんだよ!」
「逃げるってことはやましいことがあるってことだろ!」
「何でそう話が飛躍するんだよ!」
すれ違った通行人が一瞬こちらを見て目を見開いたように見えたが、気のせいだったと信じたい。