刀剣乱舞
近侍である姫鶴とともに事務作業に当たっていた審神者は、長時間の座り仕事であったためか、立ち上がったと思うと脚に刺激が走ることになった。
そして、体勢を崩しその横に立っていた男士を巻き込みもつれ込む。
少しの衝撃音のあと、審神者が目を開くと床に付いた両手のひらの間には、美しいかんばせ。自分の身体の下には、鍛えられた肉体。
即ち、床ドン。あろうことか、刀剣男士を押し倒す形になってしまっていた。
審神者は急ぎ、姫鶴に怪我はないかと尋ねる。
「……えっとぉ」
珍しく困惑したように口元を押さえる彼を見、審神者は一瞬息を呑んだ。
しかし、それどころではない。曲げた膝が痛むが、早く上から退かなくては……
審神者が姫鶴へ謝罪の言葉を述べつつもがいていると、入口の方で書籍を何冊か落としたような音が聞こえてくる。
一人と一振りが向き直ると、そこには固まった日光一文字の姿があった。
「……日光くん。タイミング悪ぅ……」
「すみません、姫……。そうですか、主と……。俺に構わず続けていただければ」
審神者は慌てて立ち上がろうとするが、何を思ったのか姫鶴に手首を押さえつけられており、引き離せずにいた。
そんな困惑の中、完全に誤解をしたであろう日光が急ぎ早に立ち去るのを見送った審神者はどういうことだと彼を問い詰めるが、姫鶴は意味深に少々口角を上げるばかりであった。
そして、体勢を崩しその横に立っていた男士を巻き込みもつれ込む。
少しの衝撃音のあと、審神者が目を開くと床に付いた両手のひらの間には、美しいかんばせ。自分の身体の下には、鍛えられた肉体。
即ち、床ドン。あろうことか、刀剣男士を押し倒す形になってしまっていた。
審神者は急ぎ、姫鶴に怪我はないかと尋ねる。
「……えっとぉ」
珍しく困惑したように口元を押さえる彼を見、審神者は一瞬息を呑んだ。
しかし、それどころではない。曲げた膝が痛むが、早く上から退かなくては……
審神者が姫鶴へ謝罪の言葉を述べつつもがいていると、入口の方で書籍を何冊か落としたような音が聞こえてくる。
一人と一振りが向き直ると、そこには固まった日光一文字の姿があった。
「……日光くん。タイミング悪ぅ……」
「すみません、姫……。そうですか、主と……。俺に構わず続けていただければ」
審神者は慌てて立ち上がろうとするが、何を思ったのか姫鶴に手首を押さえつけられており、引き離せずにいた。
そんな困惑の中、完全に誤解をしたであろう日光が急ぎ早に立ち去るのを見送った審神者はどういうことだと彼を問い詰めるが、姫鶴は意味深に少々口角を上げるばかりであった。