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刀剣乱舞



審神者から夕食に誘われた近侍の同田貫は、断る理由もなく後を付いていった。

連れてこられたのは、大衆向けの焼肉食べ放題店である。

こなれた手つきでパネル注文する審神者に、(まァ、届いたものを食えばいいだけだな)と口を挟まずにいた同田貫であったが、早々に山盛りの白米が自分の目の前に到着したと思うと、続いて白い皿の上綺麗に並んだタン。
タレ付きのカルビも程なくして机の上に置かれた。

網の上で踊る牛の肉を見ながら、
「見かけによらねえが、主もなかなか食う口かよ。奉行ってやつ?」

と軽口を叩いていた彼であったが、審神者はキョトンとした顔でこれは同田貫の分だと返す。

「ハァ? いや、俺も食う方けどさぁ……」


そこから先は言葉通り。
トングを放さず肉をひっくり返し続ける主。
その九割が迷わず同田貫の皿へと盛られていく。

審神者の皿には、少し焦げてしまった一割の肉が控えめに並んでいた。

(なんなんだ)

立場が逆ではないのか。

しかし、どんどん食べろという主の命に従っているのも事実である。追加でご飯ものも頼んでもいいぞ、と。

結局、もういいというまで接待は続き、普段食べているよりも多く平らげていた。

「……ごちそーさん。うまかったぜ。あんたの意図はわかんねえままだが」

なんだそんなことかと審神者は笑い、

「……『俺が腹一杯食ってるところを見たかった』ァ? あんた、とことんヘンな主だよなぁ」
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