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その他


天空の聖域より一番離れた星に”追放“されている執行者のお話は、デュエルモンスターズの精霊世界のできごとであるようで、私の組んだデッキの理とはまた別であるらしい。
マスター・ヒュペリオンは決していい顔をしないが、同位体たるマジェスティ・ヒュペリオンも同時に存在するーーというこの世界で、プルートは同期の代行者曰く活き活きとしているとのこと。

数枚積まれた札の一枚が紫色の光を放ち、絵に描かれた姿へと変容する。

「マスッ……ではない、主」

マスターと呼ぶとどうしてもあの太陽神が浮かぶのか、舌を噛んで訂正するのは噂をすれば彼、プルートである。
(いわゆる’そのままの姿’で顕現されると、部屋が足で潰れるほどの大きさになるので、自販機ほどのサイズに留まってもらっている。)

何かあったのかと問いかけると、己の肩をそっと指差し小声で話しかけられる。
「テンダネスがオレの肩に止まったのだ」

プルートの側へそっと近づくと、そのたくましい肩には四つの翼折り大福のように丸まった小さなピンクの天使の姿がある。薄緑の瞳は今は閉ざされ、ムニャムニャと口を動かすところから眠っているようだ。

「あのヒュペリオン……様にも見せてやりたいものだが、まずは主にと思ってな」
テンダネスの可愛らしい姿を真っ先に自分へ、という言葉に心が和やかになる。礼を伝えると、ゴモゴモと口籠るのだった。

「あっ、いや、オレは別に……その、なんだ。あなたに喜んでいただけたなら、よいのだ。
フフフフッ、見てるかヒュペリオン……様。羨ましかろう」

あまり喋るとテンダネスが起きるのではないかと心配になるが、当の天使が片目を瞑って口元を緩めていたのは、部屋の誰の目にも止まらなかった。
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