翠玉詩篇

香港と本国の境の町・通称「宝石街」で、変わりゆくものと揺らがぬものを巡る、商家と傭兵団を中心とした富と力と愛の話。


祥閏白(シャン・リュンバイ/18)
「ボクに手を出すなんて、肝が据わってるか、どうしようもないバカのどっちかだよねぇ〜?」
翡翠のような美しい瞳を持つ、宝石商の令息。典型的なワガママお坊ちゃまだが、聡明で話術に長けた世渡り上手。容姿に自信があり、保つ努力を惜しまない。侍従の琥に恋慕している。懐に入れた相手は大切にするが、よそ者には酷薄。

凌琥(リン・フー/26)
「貴方はもう少し警戒心をですね……って、言ってるそばから!」
閏白の侍従を務める青年。腕の立つ武人で、真面目すぎるのが玉に瑕。元は傭兵団から放たれた刺客だった。しかし、歳に諭されて祥家の一員となる。閏白からのアタックには困っているようだが…?

祥歳(シャン・スウェイ/43)
「閏が笑顔で過ごしていることが何より嬉しい。だが……ううむ……」
閏白の父で、祥家現当主。口下手だが、誠実な仕事ぶりと周囲への心づかいで、多くの人々から慕われている。閏白に商人としての心得や護身術を教え込んでいるが、愛息子にはつい甘くなってしまうようだ。

祥恵芳(シャン・フイファン/40)
『相変わらず心配性ね、歳さんは。ふふふ』
閏白の母で、歳の妻。過去に負った大ケガが原因で、聴力を失っている。しかし、本人は至って明るい性格で、驚異的なスピードで手話や読唇術を会得したタフな人物。閏白とは一緒にオシャレを楽しむなど、娘と接しているかのような仲良しぶりである。



馮瑞源(フォン・ルイイェン/46)
「……甘い。浅慮だ」
非常に寡黙な傭兵団のボス。表情もほとんど変わらないため、かなり威圧感がある。右目を潰すように顔に大きな傷跡があり、杖をついているが、戦闘力は街でも随一である。かつて“革命”によって全てを失った、という噂だが…。

蔡栄耀(ツァイ・ロンヤオ/28)
「へえ〜、そういうこと言うんだ?見くびられたもんだね〜」
全身黒ずくめで、髪をハーフアップにした青年。誰にでもタメ口で喋るため軽薄な印象を受けるが、傭兵団の精鋭部隊を率いており、近接戦闘では右に出る者はいない。ボスの瑞源とは深い関係にあるようだ。

邵浩明(シャオ・ハオミン/45)
「あいつはお喋りが苦手なだけさ。皆のことはよく見ているよ。怖いくらいにね」
瑞源の参謀を務める、物腰柔らかな紳士。基本的には傭兵団の兵站など、組織の運営や団員の育成を担当している。栄耀の師でもあり、戦闘の手ほどきはや教育は浩明が行った。彼もまた“革命”で大切なものを失ったらしい。



遼鴻翔(リャン・ホンシャン/30)
「ならず者ねえ。ははは、面白くない冗談だ。ちょっと黙ろうか」
微笑みを絶やさない万事屋の店主。各方面のはぐれ者を引き込み、真っ当な仕事をさせる人格者だが、実は暗殺一族の出身であり、相応の報酬と内容次第で殺しも請け負っている。来来は可愛がっている稚児で、天杰は友人。

来来(ライライ/15)
「翔さまを悪く言う人、許せないよ……。困ってる人を助けてるのに」
鴻翔が可愛がっている稚児。万事屋の末っ子的存在で、素直な性格も相まって大変可愛がられている。自慢は持ち前の美脚と、美味しくお茶を淹れること。鴻翔に一目惚れしており、想いを寄せている。天杰は育ての親。

星天杰(シン・ティエンジェ/35)
「お腹空いてちゃ元気出ないわよ~!さ、今日は何にする?アタシ張り切っちゃう♪」
料理屋兼孤児院を営む世話焼きな店主。女性的な振る舞いをするが、性自認は男性である。身寄りのない子供を引き取っては、勉強や護身術、料理などを教えている。来来は彼が育てた子供の一人。鴻翔は友人。昔はまったく違う仕事をしていたというが…。
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