言葉の要らない約束〜信じた未来は強い光となる〜

『アルフレッド、今日から暫くは私は屋台で忙しいから城には帰って来れなくてね…すまないけど…』

蝉の鳴き声がする夏、私はアルフレッドに屋台が忙しくなる事を伝えた。

『もう、夏なのか?季節が巡るのは早いな…』

優しく笑いながらアルフレッドが答える
ネルトリンガーの件から私が戻ってきて再びアルフレッドは笑顔に戻ったらしい…
記憶を失っていた頃の記憶も残っているから彼があの時悲しそうな表情をしていたのを今でも忘れていない。

『夏は屋台は大盛況なんだ!!君も良かったら時間を空けて来てくれないかい?』

ニコニコと友と他愛もない会話をする、アルフレッドは本当に嬉しそうな笑顔をしながら返事をしている…
良かった、今日も彼は笑顔で居てくれて。
私がアルフレッドを忘れ居なくなり、悪に染まった時は彼は常に泣いていた…。
もう、泣いてほしくない…君は笑顔が似合う人だから笑っていてほしい。

------------------------------------


『ちゃんと連絡はするから、今度こそ三度目の正直だから…大丈夫だから。』

『…エクシード。』

そして1日前の当日…アルフレッドが城の門まで送ってくれたのは良いんだが…。

『手を…手を離してくれないかい?コレじゃぁ、屋台が間に合わなくなるよ…』

空笑いをしながらアルフレッドを見た
すると彼は泣きそうなでも我慢している笑顔で何かを耐えていた。

『…す、すまない!!エクシード、ちゃんと連絡は…』

私より遥かに背が高い彼がまるで大きいハイドック達みたいな表情をしている…
正直ダークが彼を好きになった理由が分かった気がした…
私はアルフレッドを宥めながら屋台へ向かった
まさかこの期間にアルフレッドがあんな事になるなんてこの時私は知る事も無かった。

1/13ページ
スキ