『二人にしか分からない気持ち』ディストピア✕エクシード

『す、すまない!エクシード!!』

サッと離れて壁際にもたれて焦る…………
冷静になり頭をかかえる彼は唯一無二の友だそれ以上でもそれ以下でも……………な……………い………筈。

『ん?ううん、大丈夫だよ?ま、全くディストピアさんもやっぱりアルフレッドなんだね!わ、私が居ない………わわっ…!!!』

アハハと笑いながらエクシードが我から離れるとツルッ!!と
床に滑り尻もちをついていた
気のせいだろうか?彼の頬が赤い…………何故だ?

『大丈…』

『夫だよ!!私は店長だからね!さてと…料理…作らないとね!料理…料理…………』

何だか申し訳ない気持ちのまま我は彼を見ているんだが…

『ふー!全て終わったけど………料理は焦がすし、飲み物は溢すし…皿は割っちゃうし…はぁ…しっかりしないと……………』

ため息をついてガッカリしていた
我はと作ってもらったつまみを食べながらお酒を飲んでいるせいか少しだけ良い気持ちに酔ってしまっていた。

『…アハハ、エクシードは相変わらずだな。』

『君も笑っていないで手伝って…
あーそうか、そういう訳か。』
(酔ってしまってるからディストピアさんが
アルフレッドみたいに聞こえたのか…)

チラッと我を見たエクシードは何かを察した後店の中を片付け始めた…
あー本当に良い夢だ…………きっと起きたらいつもの毎日が始まるせめてならせめて今だけでも彼をエクシードを見ていたい……………。

『エクシード…………』

『何だい?今は私しか居ないよ?』

『…良かった、無事で…………。』

『うん、君が護ってくれたからね…』

『…やっと、護れたんだな。』

『そ、そうだ…ね。』
(駄目だ、泣いちゃ駄目だ………彼に夢見心地で居てもらわないと………。)

少し哀しさが伝わる、きっと彼が何かを哀しんでいるのだろう…
瞼に力が入らない…………あぁ…まだ彼と話したかった………
薄れゆく意識の中で聞こえたのは彼が優しく囁いた言葉だった。

『アルフレッド…ありがとう。
私を…この国を護ってくれて…………
ゆっくりと休んでね。』

居心地が良い声だ………。
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