『二人にしか分からない気持ち』ディストピア✕エクシード

『はぁ…。』

前回抑えていたマイナスの波動が強くなりエクシードの前で取り乱した挙げ句、ジョーカーに助けてもらい難を逃れたが…

『情けない…気絶するまで取り乱したなど…』

だが我は彼の知るアルフレッドではない
所詮この記憶も、この姿も光のアルフレッドから出来た
空像にすぎない。

『エクシード…』

彼の名前を呟く…呟いた所で彼が応える訳もない…
分かっている…分かっているんだ…我にはもう何も無い事を…

『やはり光など…』

だがどうしてだ?彼を今思いそして考えているのはまさしく我がアルフレッドに近いからじゃ無いのか?
ずっと悩んでいても仕方ないそう思いながら気分を変える為に海辺へと我は向かった…。

海辺に向かうと賑やかで騒がしい店があった
あぁ…今日も彼は自分の夢である店を経営しているのか?
もしかしたら…と考えるがあの日間に合わなかった事を思い出し瞼を閉じる。

『我には、ここに来る権利など……………』

ドアに手を伸ばすが勇気が出せずそのまま行く宛のない手を下ろそうとした瞬間勢いよくドアが開いた。

『じゃあ〜また来るよーブラブレさ…うわっ!』

『はい!待ってますね!…って大丈夫ですか?
…アナタは…。』

『…。』

手を振り別れを告げる常連客の前に立つ我を見ずにその常連客は我の体にぶつかった
エクシードはその常連客を瞬時に駆け寄り体を支え我を見つめた。
その後常連客は体が無事な為そそくさに帰って行ったが…

"大丈夫だ〜もう、ブラブレさんは居なくなんねぇからなー
王様も泣かなくて良いんだぞーじゃあ、またなー"

と言われた…一体何の…………そうか、彼はあの時に居た常連客か。

『えっ…と…ディストピアさんですよね?』

ずっと常連客の彼が去った後を見ていたら申し訳なさそうな声でエクシードが話しかけてきた

『あぁ…そうだ、偶然近くを通ったから寄ったんだ。』

本当は外から眺めているだけの予定だった…
何故なだろうか?エクシードに会いたくなったのは
彼がまた居なくなると心配をしていたのか?
我は…我は…何故?
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