『悪に染まった英雄と光の王』ジョーカー&アルフレッド

『ジョーカー、お前は悪くないんだ…すまないな、小生がもう少しお前の気持ちをわかってあげたら良かった。
あの時は…エクシード、お前を護るのに必死で手を握りしめていた
離れた後、何度も小生は…ッ…すま…ないっ…
やっぱ…手を…離さなければ…良かった…………』

ギュッと握りしめている彼の手が少しだけ力が入った
私は他者の気持ちを『悪い心』以外基本的感知する事は出来ない
でも、彼は別だった…やっぱりアルフレッドだからかな?
私がエクシードから生まれた存在だからかな?
私の為に泣いてくれている彼は正しく私の記憶の中にある
アルフレッドという人物なのだ。
自然と涙が溢れた
何で私も泣いているのか自分自身でも分からないけど
アルフレッドの涙を見ていて後悔しているのは自分だけでは無い事が分かったから…

『君の…せいじゃない…ごめんね、ありがとう…
私を…覚えていてくれて…ありがとう…私を…エクシードを助けてくれて…この世界を護ってくれて…。』

手を包み込むように再び握り返した
最初は君に会いたくなくてロイパラの敷地内を巡回するだけで帰る予定だったんだよ?
何故だろうね…………偶然かな?君に会えたのは………

『エク…』

『…ありがとう、それだけでも来たかいがあったよ。
私は君のエクシードにはなれないんだ…アルフレッド…
会えてよかったもう一人の私を…』

『ッ…いい加減にしろ!また我から逃げるのか!』

さよならを告げて去ろうとした瞬間ドンッ!と机を勢いよく叩いて…………
珍しく怒っているアルフレッドが居た
ヤバい…ガチギレしている。

『ずっと思っていたんだ!いつもいつも自分で勝手に決断して勝手に行動して!お前は何故いつも一人で…………
どうして…………』

『アルフレッド?
泣きつかれたのかな?全く…』

先程まで怒り狂いながらガチギレしていたアルフレッドが急に大人しくなりソファにもたれて横になり気絶してしまった…
いつもは昼間は確か寝ているとセラス様から聞いていたのを思い出し今更ながら悪い事しちゃったなと感じながら
アルフレッドをベッドに移動させた後椅子に座り片手を包み込むように両手で握ってあげた。

『ごめんね…アルフレッド…ありがとう。』

いつもは感謝の気持ちを伝えると頭の中や心がグチャグチャになるんだけど今日はそんな事にはならなかった
きっとアルフレッドの光が私を護ってくれたのだろう
今度こそ私を…エクシードを護りたいという気持ちが…。

『アルフレッド…大丈夫…今度は彼がちゃんと約束を守ってくれるから…裏切ってごめんね。』

ギュッと力を入れてあの時伝えれなかった言葉を伝える
エクシード自身もきっと思っている筈だから
ふとアルフレッドを見ると涙を流していた
あぁ…また私は………ハンカチを取り目を拭いてあげようとした瞬間にガシッ!!と腕を握られた。
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