『追想禁忌~アナタを想うこの気持ちは罪ですか?~』

『よぉ、バスカーク…俺だ。』

『グレー…………さん?』

茂みから現れたのはネイダールさんの父親であるグレーさんだった
顔見知りで安心したワタクシは彼に近付いた。

『どうしたんですか?あ!アルフレッドさんに会いに行くんですね!
ロイヤルパラディンならあちら…………』

ロイヤルパラディンの城がある方に指をさして彼に伝えると
グレーさんはワタクシの耳元で急に囁いてきた…

『いや、今日はお前に用があるんだ…バスカーク。』

思わずビックリして手で払いのけ彼から離れ警戒した表情になる
何故ならこの感じをワタクシは一度体感しているのだ…
そうディセンダントさんを助けたあの時に似ている……………………

『ワ…ワタクシにですか?あいにくワタクシはアナタに用は………』

『ネイダールと結構仲良くしてくれたからなぁ~お礼にとな?』

じりじりとワタクシにニヤニヤと笑って近づくグレーさん
普段の彼なら気にはしないのですが…今回は怪しいので早めに
退散をそう思いシャドパラの方に走り出した瞬間彼の手に掴まれ
焦っていると引き寄せられて抱きしめられた。

『どうした?何故逃げるんだ?俺はお前の知るグレーなんだぜ?
あぁ…俺じゃなくて……』

瞬時彼の姿が霧に包まれたかと思うとワタクシが目を開けると目の前には………

『え?ネ…………ネイダール………さん?』

いつの間に変わっていたのか目の前の彼に戸惑っているとネイダールさんは優しく笑い抱きしめてきた。

『えっ…………と………』

一気に温もりがワタクシを包み込み幸せな気分になるあぁ…彼の………

『ほぅ…ネイダールになるとお前はそんな表情になるんだな?』

グレーさんの声が聞こえ再び焦り彼から離れようとした瞬間彼に
後ろから抱きしめられて逃げれない状況で手で目を隠され囁かれた。
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