『夢幻蜃気楼(ミラージュ)』 ゾルガネイダール×光バスカーク

中に入るとベッドとタンスと…………窓があるだけで何も無い??
とりあえず彼を寝かせて部屋を出た近くに水面所みたいな場所が
あった事を思い出し急いで看るための準備をした。
行って帰ってきたらいつの間にかネイダールさんは黒ウサギから
人型になっていた…熱で魘されているのか闇の乱れが激しい。

『ネイダールさん、大丈夫ですからね?もう…キャッ!!』

おデコに濡れたタオルを乗せた瞬間ネイダールさんに抱きしめ
られ焦りと胸の高鳴りが同時に起きた…

『ネ…ネイダールさん?』

『タ…タコ…ちゃんっ…来てくれたん…だぁ……あはは…
俺っち…熱…出しちゃ…ってさぁ……』

必死に頭の中で整理をし、自分自身を落ち着かせた
あぁ…そっか………ワタクシ………タコさんに間違わ……
自分を見つめるネイダールさんを見つめる
熱が出ているのに優しく愛おしい人を見つめるような
そんな…目………表情………ワタクシに……一度も………
泣きそうな表情を抑えながら彼から離れようとした
すると彼は更に強く抱きしめて震えた声で伝えてきた…

『ッ…もう、離れないで欲しい………お願い………タコちゃん……
俺っち………』

どうせタコさんがここに帰ってくるまでの間だけ……
別に最初からこの片想いは実ることは無い、なら少しだけ
夢を…幻を彼と共に見ていても…いい…ですよね?

『ッ…はい、大丈夫ですよ?ワタクシは、黒ぴょん先生から
離れませんから…』

タコさんに似た声のトーンでタコさんに似た雰囲気で………
彼のタコさんにワタクシがなってあげれば、彼は…………
ワタクシは幸せになれますよね?
心の何処かで自分自身が『違うっ…ワタクシはこんな……』と
嘆いていたがそんな気持ちもネイダールさんに片想いしている
自分自身も今は無くしてタコさんになる事を決めた。
コレで…コレで…良いんです…………。
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