『雨だけがワタクシの声をかき消してくれた…』ゾルガネイダール×光バスカーク

『アハハ…初恋までワタクシは断られて…………友も恋も……
何も手に入れれ……キャッ!!ネ…ネイダール…さん?』

『そんな事言わないで…ダメだよ…タコちゃん………』

彼を包み込むようにして抱きしめたすると隠していた表情が見えて
何かを我慢しているような表情をした後彼は笑った。

『ワタクシは…アナタのタコちゃんじゃ無いです…』

『うん…でも…』

『ロングコート…やっぱり頂いて宜しいですか?』

ふと、バスカークくんが立ち上がり乾いた僕のロングコートを
羽織ると彼は心底幸せを感じたかのように笑って涙を流していた
僕はその光景をただ、黙って見ているしか出来なかった。

『別に………良いけ………バスカークくん?』

『ネイダールさん…ありがとうございました…ワタクシ、幸せでした…』

震えた声で僕に感謝を伝えるバスカークくん
そんな…僕こそ………と言いかけたが声に出せなくて黙ってしまった。

『アナタのタコちゃんになってあげたかったアナタの…………っ……ごめんなさい…』

『ううん、こちらこそありがとう…君が居なかったら僕の…
俺っちの大好きなタコちゃんは出来なかった…
僕たちは出逢わなかった…バスカーク、君には僕なんかより素晴らしい人がきっと
居るから…どうか幸せになって欲しい。』

優しい声色でそう伝えるとバスカークくんは何も言わずグチャグチャな顔で笑った。

『そ、そんな事ッ………ズルいですよ…』

『後…無理に僕を忘れなくて良いよ…
タコちゃんから僕を奪わないなら想っていても良いから………君を…愛してあげれなくて………』

『良いんですか!ワタクシがアナタを想っていても…
良かった…想っていても良いんですね…アハハ…気持ちが楽になりました…』

少し安心したような表情をして僕を愛おしそうに見て喜ぶバスカークくん…
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