ドンドンと力強く打ち上がる花火を見て俺様は初めてネイダールと見た花火を想い出していた。
あの時も凄く綺麗な花火だった、でも今はもっと…

『…？桜の花びら？』

確かにこの世界には桜があるとは聞いていたが…
ﾌﾞﾜｯと舞い散る桜の花びらとそれに混ざるように見える花火が
凄く綺麗で...なんだか温かい気持ちになった。

『ふぁぁぁ……あれ？俺っち、お酒飲んでて…』

『ネイダール、見ろ…花火だ。』

『…？わぁースゴいねぇーってノクス！もう少し早く起こして…』

『ネイダール、あの時もこんな花火が上がっていた夏だったな…』

ぶつぶつ文句を言っているネイダールが可愛いが流石に想い出にも浸って欲しいとギュッと身体を引き寄せた。

『…あ…う、うんっ…アハハ…』

『ネイダール、俺様達バスカークSはずっとお前を愛しているからな、
大好きだ…』

『あーうん、俺っちもだよー』

『好きだ…』

『うん。』

『愛している。』

『…う、うんっ…』

『俺様達にはお前しかいない。』

『あ、ありがとうねぇ…』

『ネイダールはどうなんだ？』

俺様はずっとネイダールを見ながら愛を囁いたネイダールがしてくれたように…
下を向きながら髪で顔を隠して返事をしていたのでもっと顔が見たいと両手でネイダールの顔を上げたら目を見開き顔が真っ赤な姿が見えた...
あの時もこんな表情だったのか？
俺様にそんな表情がバレたのが相当焦ったのか目を閉じて慌て始めた。

『ノクスくんっ……あ、あのねっ…ね？そのっ…』

『ネイダール、可愛いな…そんな所も愛している…好きだ。』

『ひやっ？！耳に囁かないでっ…あ、あぅっ…こんな…』

薄く目を開き涙目で俺様に訴えてくるネイダールを見てあの時の、彼の気持ちが分かった気がした。