『夏海幻影(はつこいヴィジョン)』ネイダール×光バスカーク

あわわわっ!あぅぅっ!!ち、違う違う違う違う違う違う!!コレじゃ…
な、ななんで?もう、どうしたら……………
アワアワしながらネイダールさんの身体に触れかける手をバタつかせ
たらフワッと何かに触れ思わず硬直してしまった。

『ひやぁぁっ!………………タ…タコちゃん………は、離して………』

普段は飄々な態度の彼が顔を真っ赤にして身体をビクビクとしていた
ワタクシ…何に触れたのでしょうか?ニギニギと優しく握りながら
手探りをするがどう考えても腕の感触で……………

『タコちゃんも蛸なら生態知ってるよねぇ…ッ?』

確かオスの蛸には………ハッ!!と気付き手を離す
彼はワタクシを支えながら息を荒々しくして何かに耐えていた。

『良かった…離してくれた………』
(続けられていたら俺っち…ヤバかったかも知れない……)

そのまま力無く彼は泳ぎ沖まで送り砂浜にワタクシを置き
自分自身は蛸の姿から人型に戻り少しだけモゾモゾとして
苦笑しながら暫くは何かと格闘していた。

『何で…あんな………触るならお腹で………しょうよ………』

弱々しい声で目を閉じ眉間にシワを寄せながら彼は苦笑していた。

『す、すいません………つい…………』

『良かった…オクトプスなら更に俺っち…こんなんじゃ………』

『え?タコさんだったら?』

『そりゃあ……ムラムラしちゃったからって………あ………
今の無し!!無し!!違うからっ!誤解だからっ!』

顔に手を当て半分隠しながらアワアワして
先程の言葉を忘れてと言う
ワタクシはそんな彼を見てタコさんが好きなんだなぁと
改めて知った瞬間だった。
ムラムラしちゃった?ムラムラ?

『ムラムラとは?』

『え゛?!バスカークくん?そこから説明しなきゃいけないの?
いやいや!まず!聞かなくて良いから!!』
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