『夏海幻影(はつこいヴィジョン)』ネイダール×光バスカーク

----------夏の海でアナタを想いながらワタクシは幻影を見て溺れていく………あぁ…このまま…………アナタと………


賑やかな夏祭りが終わり海に静けさが戻りワタクシは思いにふける
為にここに来ていた。
さざ波の音が居心地良く聞こえる中ふとワタクシは何を思ったのか
海に誘われるように水の中に入り無抵抗のまま目を閉じながら
ゆっくりと沈む身体を堪能していた…

(水の冷たさがまるでワタクシの今の寂しくも苦しい心を
現しているようで………)

どんどん沈む身体はただ水の動きに合わせ沈みゆくだけ
そろそろ光すら見えない海底に…深海に着く。

(あぁ…夏祭り、楽しかったな……)

瞼の裏で想い出すのは愛しい人と過ごしたひと夏の想い出………
辺りは真っ暗闇なのに、何故か想い出だけは明るくて………
誰も掴まない手を伸ばす、薄っすらと目を開け自然と流れた涙を
そのまま流す…
胸が苦しい、もう少しアナタと早く出会っていれば………
そんな事を考えていると声が聞こえた。

"バスカークくん…"

あぁ…この声…ネイダールさんですね………

"バスカークくん、俺っちも君を………"

目の前に歪みながらネイダールさんが見えた
こんな場所にいるはずが無いと分かっているけれど………
手を伸ばし、幻で見えている彼と手を繋いだ。
幻なのに…ネイダールさんはちゃんと手を繋いでくれて
あの時の暖かさが蘇った。

"ずっと一緒に居ようねって、約束したよね?
ほら…俺っちはタコちゃんの事…愛しているからさ。"

幻なのに…
幻なんですよね?なんて居心地が良いんでしよう………
はい、ワタクシもアナタが…いえ、アナタしか愛していませんよ…

"両想いだね!タコちゃん!!"

ええ…両想いですね……嬉しいです………
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