『夜の夜凪に想う追想の彼方』 ネイダール×バスカークレミニセンス

この静かになった空間にピッタリな雰囲気を漂わせてずっと僕を
彼は見ていた。

『今日もアナタを想い幸せになっていました。』

『…そ、そうなんだ。』

何故か僕の隣にも立たず一定の距離を置きながら彼は話した。

『ワタクシの名前はバスカーク・レミニセンス…………
エモーションズの「想」を司る者として居ます。
ネイダールさん、アナタを想い恋い焦がれこの消しきれない気持ち
をグレー様に魅入られワタクシは生まれました。』

頭が真っ白になった…声が出ないくらい驚いて気持ちが困惑している
レミニセンスはやっと僕に近付き辛そうだけど優しく笑いながら
僕の両手を自分の両手で包み囁いた。

『〈驚〉、〈困惑〉、〈罪悪感〉…………確かに見えますね…
あの時にアナタがワタクシに見えると言っていたのはこの事………』

『どうしてっ!どうして君がッ………あぁ……僕はそんな風にさせる
為に君を……………』

今自分はどんな表情をしているのだろう…
罪悪感…確かに罪悪感はあった、彼の想いに僕は答えれなかったから
アレから彼もずっと僕を見て想っていてくれていたんだ……

『良いんですよ、ネイダールさん…アナタがワタクシに罪悪感を
後悔を抱かなくても…ワタクシが選んだみ………』

『違うっ…俺っちは……僕は…………』

『その先はタコさん………いいえ、オクトプスお兄さんにお伝え
ください…ワタクシが聞いてはいけないんです。』

僕の唇にスッとレミニセンスは優しく人差し指を当てて放つ言葉を
遮った。

『あぁ…奇跡です…こんなにも想っているだけだった気持ちをアナタ
に伝えれたのですから…コレからもネイダールさん…アナタを
ワタクシはずっと………ッ…………』

切なく愛おしく僕を見つめながらレミニセンスは想いを語っていく…
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