『夜空の下で…』 グレー(セラス)✕アルフレッド

いつの間にか会議が始まっていた事も忘れ私は考え事をしていた
もし、今日も夜にアルフレッドに会ったら…
彼は…私を…俺を…迎えてくれるだろうか?
昨日あんな去り方をしてしまった
彼は怒っていないだろうか?
グシャグシャポイッ!!と何も書かれていない書類を無意識に投げる…

『ケテルサンクチュアリは…』

ハッ!!と我に返り気付いて周りを見渡すふとアルフレッドと
目が合い苦笑いが出てしまった。

『…?セラス?珍しいな?お前がボーッとしているなんて
コラコラ、紙をグシャグシャポイッしちゃ駄目じゃないか…メモが取れなくなるからな。』

アルフレッドは先程私が投げた紙を机に置き広げてまっすぐにしていた…
優しい表情をして嫌な顔一つせず直す姿を私はずっと見ていた。


−−−−−会議終了後

『…本当、お人好しな奴だな
アルフレッドという人は……………。』

気のせいだと思いたい…
何故気持が嬉しいのとグシャグシャな紙を持つ手が温かいのか?
何も書いていない紙なのに…
私は丁寧に折りたたみ小さな鶴に折った
帰ったら家に飾ろう
1人会議室に残っているとガチャッとドアが開きその方向を向くとアルフレッドが居た…

『廊下に居なかったからまだ中に居ると思い見に来たんだ
って!凄い!!セラスが作ったのか?鶴じゃないか!』

アルフレッドは私に近付いてきた瞬間机の上に置いてあった鶴を見て子供みたいに目を輝かせて見ていた…
かわいい…

『あっ…はい、メモが取れないならせめて飾りとして飾ろうと……………。』

『小生にも作ってくれないか!』

『ハァ?あの部屋のどこに飾るんだよ!シンプルな部屋にこんなの飾ったら浮くだろうが!!』

『…セラス?何故小生の部屋を知っているんだ?』

『…あっ!!!!えっと………………!!!!』

あーやらかしたぁぁー!!!!
どうする?どうする?私!!

『グレーから聞いたのか?』

ふと悩み焦っていた私にアルフレッドがボソッと呟いた
そうだ!グレーのせいに…

『と…グレーなら言うと思います。
あの子アルフレッド様のお部屋をご覧になられて
心配はしておりましたから…』

『やはり…グレーは優しい性格の弟なんだな?』

『えぇ、自慢の弟です!!』

いや、私なんだがな?グレーも…

『では、新しい紙を用意するからその紙で良かったら鶴を作ってくれないか?』

とアルフレッドは笑顔で私に伝えたあと
少し廊下に出ていった。

『いや、馬鹿だろ…後私は帰りたいから帰らせろ!
チッ…仕方ないな…全くコレだから元王は………』

アルフレッドが去った後、私はボロクソにアルフレッドを侮辱した…
本人は聞いていないし大丈夫だ
アルフレッドが帰ってくるまでの間私は暫く
ブツブツと悪口を言っていた。

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