『想い出の中の君はあまりにも不器用で…』

-----------覚醒ダークside

『…やっと、心の中の叫び声が収まったか。』

ずっと今日聞こえていた叫び声
アルフレッドはアルフレッドアーリーより我慢するクセがあるから心配だった。
案の定酔わせて本音を語らせたら昔の後悔を語りだした…
アルフレッドをそうさせたのは俺にも責任があるからな
流石に放ってはおけなかった。
俺はアルフレッドをベットへ運び寝かせると散らかせた酒瓶を片付けた…

『酔わないと弱音が吐けないほどアルフレッドは真面目な性格なのか…』

俺より14年も王をしてきたアルフレッドは本人曰く
一人称、夢、青春を捨てて歩んできたらしい…

『頑張ってきたんだな…』

今、目の前にいるアルフレッドは王じゃない…
つい先日アクスにロイパラの代表を交代した。
王という肩書を外したアルフレッドは俺達の知るアルフレッドでは無かったが本来の彼が歩みたかった道がやっと開いたのかと思うと俺も安心した…

『本当に不器用でカワイイ奴だよ…昔も今も…』

涙をポッケから出したハンカチで拭いてあげた…
顔立ちの良い顔がピクッとして力の無い瞳が目を開き何処を見ているのか分からないがアルフレッドが一点を見つめていた…

『どうした?何かあるのか?』

思わず声をかけた、だが答えない…。
アルフレッドは目を閉じて考えた後、ボソッと呟いた…

『…大丈夫だ、何でもない。』

力の無い声で俺に目を合わさず寝ぼけ眼で答えたアルフレッド…
な、何だ?この抜け殻みたいなアルフレッド…
急に怖くなりアルフレッドを揺らすと力なくパシッと手を弾かれた。

『アルフレッド…』

『大丈夫…大丈夫…なんだ…嫌な事は…忘れたら…楽になる…楽に…』

ボソボソと呟いた言葉が暗示なのかアルフレッドは力の無い声で笑顔で独り言を呟き続けてフラッとしてベットに再び倒れて寝た…
俺は心臓がバクバクしていて止まらなかった…
何なんだろうか?先程のアルフレッドは…?
あの時何を見て呟いていたんだ?

『…アルフレッドの見てはいけない所を見たのか?』

そしてこの不安が現実になるとは思ってはいなかった…





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