『貴方に伝えたかった言葉』

『アルフレッド、何笑って…そんなに嬉しいことがあったのか?』

『あぁ…ダーク、毎日楽しい事ばかりが最近増えてな…』

夏が過ぎ少し涼しさが出てきた秋の頃我とダークは紅葉を見に外に出ていた。
ダークと想いが繋がり見る景色は今までとは違い鮮やかで新鮮に見えた
自然と笑みが溢れる
あぁ…コレが…幸せなのか。

『その…身体の調子はアレからどうだ?』

『ん?あぁ…大丈夫だぞ?ただ…』

『?』

目を閉じ考える
出来るはずもない子を…
もし、出来たらきっとダークに似て優しく誰かの騎士みたいになっているかなと…

『ダークとの子が…欲しかったなと…』

でも、ダメだ
我がソレを思ってはいけない…

『…アハハ。すまない、忘れ…』

涙を誤魔化す為にあえて笑った
笑っていないとアーリーが羨ましくて…
泣き崩れそうだから…

『アルフレッド、泣くな…』

ふと目を開けるとギュッと我の手を握りしめ真剣にダークは我を見つめていた
真っ直ぐな瞳に目が逸らせれなくてそのまま硬直しているとダークが優しい表情で我に語りかけてきた…

『アルフレッド・アーリーとお前は双子だからよく考え方が似ている。
だが、お前の方がやはり心の叫び声を発すると強い…つまりお前がそれだけ色んな事を我慢してきたという意味だ。
アルフレッド、もう我慢しなくていいんだ…自分の為に生きろ。』

一筋の涙が頬に伝う…
この涙は何故流れたのか分からない
でも、我は誰かに言って欲しかったのかも知れない。

『我は…ダークと…もっと…居たい。』

『あぁ…俺もだ。』

『アーリーより我の方がダークを知っている…』

『そうだな?俺もアルフレッド・アーリーが知らないお前を知っている。』

『ダークの事が…ダークの事が…ッ…』

ギュッと手を握り返した
ダークはそれに答えるかのように手を握り返してくれた…
涙が止まらない悲しくないのにダークを思うと涙が流れてしまう
この気持ちは何と言えばいいんだ…。

『あぁ…愛している。俺もアルフレッドを愛しているから…』

ギュッと手を握ったまま身体を寄せられ抱きかかえられる
草原の地面に座り誰もいない二人だけの空間で紅葉が舞い散る中我はダークに…

『ダーク…愛している。』

『ありがとう…。』

照れ笑いするダークを見ながら我は笑みが出た…
手が届いた、その未来が今あるのが現実という感覚が実感する。

『子が…生まれたら…オースと名付けたい
ダークみたいに優しく…カッコイイ子に…』

『俺はアルフレッドみたいに可愛く素直で人を助けて皆の光になる存在になって欲しい…いつか俺達みたいに愛しい人が出来たら互いに笑い合えるようにな?』

あぁ…まるで夢のようだ
ダークの笑顔をこんな間近で見ながら将来を語り合うなんて…



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