『あの日の君にもう一度会いたい』

----------五年後

あのあとダークの身体は私の隠し部屋に綺麗に保管されている。
いつ目が覚めても良いように。
1年1年過ぎていく毎日が苦痛で仕方なかった…
あの日私がアルフレッドを狙わなければ、お前が私の前に現れなかったら…
私がリンクジョーカー出身じゃなかったら…
こんな能力無かったら…

『ダークっ…ダメなんだ…やっぱり私は…』

今私はオラクルが経営するスナックでカクテルを貰い想い出に浸っていた…
視界がぼやける…
あれから世界は平和になったが、あの日私が夢物語で語っていた世界に居てほしい人物が居ないことがいつまで経っても辛く叶わない願いだと何回思っただろうか…。

『…ミラージュナイトさん?大丈夫?もーなんで王ってこんなにやけ酒する奴ばかりなの?』

ここのスナックのオーナーであるアマテラスさんが自分を見て悪態をついている。

『…でも、アンタもやけ酒したいときはあるわよね?お迎えが来るまでなら愚痴聞いてあげるから話してみなさい。』

優しく頭を撫でられた。
ウトウトとする中で愛おしい人を思い出すと涙が出そうでやはり出なかった。
ボーッとする視界でカクテルが綺麗に見える…

『…ああ、綺麗だな。』

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『…そうだな?ナイト。』

ふと、私が右を向くと黒髪短髪のライトグリーン瞳の優しい笑顔のダークが居た。

『…どうした?そんなにビックリして、アマテラスに呼ばれてお前を迎えに来たのだが…』

『…そうか、ダークありがとう。』

ダークは私をおぶさりスナックを出てアマテラスさんに挨拶をして夜の道を歩き出した。

『…ナイト、最近元気が無いと思っていたが大丈夫なのか?』

『…わ、私なら大丈夫だぞ?今日は少し飲みたかっただけ…』

心配そうに横を向きながら私を見るダークの瞳が怖い…
やはり無理はしない方が…

『…全く、まだ俺を忘れられないのか?ミラージュナイト。』

目を閉じながらダークの温もりに浸って居たら急に親しみのある声が…
今一番聞きたかった声…

『ダーク…』

『夢なんか見て、余程俺に会いたかったんだな?』
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