『光と影の再会』

むかーしむかーし、闇の竜に選ばれし闇騎士が兵を率いて光の騎士達と戦っていた。
だが、何故かその闇騎士は敵軍の王を護り突如乱入した謎のユニットの攻撃を受け倒れた。
それ以降闇騎士が2度シャドパラに帰って来ることは無かった。
闇騎士の名は…

『ブラスターダークくん、頼むっ!!身体を貸してくれないかい?どーしても会いたい人が居るんだ!!』

覚醒ダーク
『仕事があるし、それにナイトに会いたいなら後で呼ぶぞ?』

俺の名はダーク。
かつてこのシャドパラで指揮官を務めていた伝説の影の英雄だ…
今はとある事情で肉体と魂がバラバラになってしまい恋人であるミラージュナイトには俺は見えない。
今日はミラージュナイトではなくあの時に助けた他クランの光の王に会いたい…
彼は俺が唯一助けれた一人だから。
で、今ブラスターダークくんにお願いしているんだが…
彼…頭が固くて聞いてくれない!!
困ったなぁ…。

『分かった‼身体を貸してくれたら君の身体を借りて仕事を代わりにしよう!』

覚醒ダーク
『…お前がコレだけの仕事を出来る訳が…』

『出来るよ?だって本来は俺がしているであろう仕事だったからね?』

覚醒ダーク
『…?何者なんだ?お前は…?』

そう、今の現王のブラスターダークくんも知らない俺の本来の姿…
きっと唯一知っているのはファントムブラスター様くらいかな?

『なーんでもない…シャドパラの騎士だよ?』

ニコッと笑いながら話しを誤魔化して交渉を続ける。
ブラスターダークくんはため息をついたあと目を閉じて笑った。

覚醒ダーク
『…お前が別に何者でも気にしないが、あまり隠し過ぎると嫌われるから気を付けろ。』

『困ったな…ブラスターダークくんにはまず嫌われ…』

覚醒ダーク
『…ているなら身体を貸していない。察しろ…』

照れながら目を逸らしてそう呟いた彼は俺が見てきたファントムブラスター様に似ていて…。
彼が王になってミラージュナイトが笑顔でいてくれたから俺はこの未来が好きになれた。
俺がニコニコしているとブラスターダークくんが書類をタンタンと整頓して俺の方を向いた。

覚醒ダーク
『身体は貸すが、無理はしないことと…』

『?』

覚醒ダーク
『絶対変な事はするな!良いか?俺の身体は貴様の物ではないからな!!』

『アハハハ!!分かっているよ!!心配なら君も霊体で来たら良いじゃないか?』

笑い飛ばしながら要件を聞く…
彼が作った世界とあの時にミラージュナイトが理想としていた世界が…今叶っている。
俺が側に居てあげたらきっと…
何度考えた事か…
もう、二度叶わない事を自分自身分かっているのに…。

覚醒ダーク
『そんな…辛い声を出すな。煩い。』

『えっ?』

覚醒ダーク
『お前がしてきた事は素晴らしい事だ。お前とナイトに何があったのか…何故姿が俺と似てお前が俺に憑依出来るのか…分からない事ばかりだが…過去を後悔しても思い出すだけで前に進めない。
お前が守ってきたナイトが笑顔で…』

ミラージュナイト…彼は優しいね
だって知らない人をこんなに励ます事が出来るのだから…
少し安心した俺はいつもの笑顔になった。

覚醒ダーク
『それにお前が笑顔じゃないとナイトが…ってもう立ち直ったのか?早いやつだな。』

『ありがとう…そうだね、俺が笑っていないとミラージュナイトが心配しちゃうね。』

覚醒ダーク
(言えなかった…お前の悲しむ顔が昔の俺に似ていて…
俺が人の心から叫ぶ声が聞こえるという事を…。)

ブラスターダークくんが書類整理を終えて俺の前に立つ
目を閉じて俺に触れると俺も気を失った…。
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