『嘘つきな君と正直な自分』ライアーエクシード&アルフレッド

『それより、良かったの?アルフレッド?』

『…?』

『俺、ライアーで嘘つき者なんだよ?君に嘘をついて騙しちゃうか……』

『…そうか、君は嘘をついて他者を騙すのか?では、やってみるか?』

ライアーがニコニコと笑いながら小生に近づいてきたと思えば自分の能力
なのか嘘をつくかもしれないと言われた…
ニコッと笑い返しながら答えるとライアーは前髪の間から見える赤と青の
オッドアイの両目で小生を暫く見つめため息をつき離れた。

『…止めとくわ、君には効かないだろうから…』

『…?何故分かるんだ?』

『…君は昔の...俺だから...…』

???昔のライアー?小生が?どういう事だ?

『…君は知らなくて良いよ、変わらずにそのままでいてね。
君のその素直な優しさに救われる人は居るから…』

さざ波の音にかき消される程度の小さな声でライアーは呟いた
何だか切なそうな…苦しそうな雰囲気に思わず小生は彼を抱き締めた。

『…は?ちょっと?何や……』

『分からない!分からないけどっ…もう、ライアー…自分自身に嘘をつくな
自分自身を…傷付けるな…大丈夫だ、君は一人じゃ…』

『…てめぇに何が分かるんだよっ!離せ!』

先程まで大人しく離していた彼が声を荒々しくしながら叫びだした
離せ!と言われたが離すつもりはない!!小生はもう、エクシードと名の付いた
子達を悲しませたくないんだ!!

『そうだな!小生は分からない!分からないけど…これだけは分かる!
自分自身に嘘をつき生きていたらそのうち何が本当か嘘か分からなくなるぞ!
せめて…小生の前だけでも…素直なライアーで居て良い…グハッ!急に腹に
パンチは効くぞ?アハハ…』

必死に彼を説得していたら気が抜けていたせいなのか彼が腹にパンチを
食らわせてきた…げ、元気そうで...良かった…。
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