『追想禁忌~アナタを想うこの気持ちは罪ですか?~』

---------光バスカークSide

『………くんっ………バスカークくん!』

遠くで誰かの声が聞こえる……………

『バスカークくん!あっ!良かった!!目が覚めたんだね!!』

『…………アレ?ワタクシ………森にいて………グレーさんに………』

グレーさんに会って………そこから覚えていなくて…………
キョロキョロと周りを見渡すとそこはネイダールさんの部屋だった。
いつの間にワタクシ…彼の部屋に?そう不思議がっていると
ネイダールさんはギュッとワタクシを抱きしめてくれた
あ…………アレ?先程の記憶の暖かさでは…………フワッと漂う彼の
良い匂いがワタクシを安心させ、彼の大きな身体がワタクシを包み込んで彼の暖かさがワタクシを……………

『良かった!バスカークくんが無事で!!君は僕の部屋で寝ていたんだよ?幸せな表情で
寝ていたから暫くは起こせなかったんだ…』

彼は安心したような表情をして優しい声色でワタクシにそう伝えた。

『でも、何で君がここに来ているのか?
この研究所はグレー様か僕達エモーションズしか来れない筈…』

『ネイダールさん………タコさん…………は?』

『あぁ…タコちゃんは今、グレー様の所に………バスカークくん?』

何だか急に力が抜けたような感じがしてワタクシは再びボフッと
ベッドに寝てしまった。
焦りながらネイダールさんが近付いてきてワタクシを見て何かを察した
表情をした後、今日は一緒に居ようと言ってくれた。

『タコちゃんには訳話しておくよ…バスカークくん、大丈夫だから
今日はいっぱい僕に甘えてね。』

『は、はい…………』

その日何故かワタクシは1番幸せな日を過ごした。

-----後にグレーさんがワタクシに似た子を連れてくるのは
もう少し後のお話。

END
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