『夢幻蜃気楼(ミラージュ)』 ゾルガネイダール×光バスカーク

『ワタクシ…は…優しい商人ですからね……』

自分自身に言い聞かせ止まらない涙を流しながら笑い帰った
いつか本当に笑い合える日を夢に見ながら…。

----------ネイダールSide

『っ……アレ?僕…は?タコちゃん!?い、居ない?』

確か僕は熱に魘されてタコちゃんに看病してもらってた筈
何処かに出かけているのか?
暫く経つとタコちゃんが用事を終わらせたのか疲れて帰ってきた。

『黒ぴょん先生ぇーワタクシ頑張ってグレー様の会議聞いていた
んですよーアナタの分まで聞くの大変だったんで………
黒ぴょん先生?』

ガチャッとドアを開けて今帰ってきたタコちゃんを見て僕は驚いた
夢うつつで記憶しているタコちゃんは僕が着ているようなコートを
着ていて………

『バスカーク…君…僕を…看病してくれていなかった?
何で今…帰ってきたみたいな感じに………』

『何言っているんですか?黒ぴょん先生の代わりにワタクシ
会議に行った………え?タオル?こんな所に?』

タコちゃん自身も違うと言って訳がわからないままでいると
手に違和感を感じ何かを握りしめた
何だろか?と思い見ると………見覚えのあるボタンが………

『あれ?それは黒ぴょん先生のロングコートのボタンじゃないですか!』

タコちゃんに言われて見てみると確かに僕が着ていたロングコート
のボタンだった。
どうやらタコちゃんは気付かなかったみたいだけどこのボタンは
以前僕が着ていたロングコートの方のボタン…………
僕のロングコートを持っている…彼が?いや…ここには
グレー様と僕達エモーションズが居ないと来れない筈
どうやって彼が来れるんだろうか?気のせいか?

『あれ?ボタン足りてますね?うーん…………』

『予備のボタンだったかも知れないから俺っち持って
おくね〜タコちゃんありがとねぇ〜』
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