『雨だけがワタクシの声をかき消してくれた…』ゾルガネイダール×光バスカーク

-------------数時間後

『もう、大丈夫なのかい?』

『はい、お世話になりました。』

暫く経って表情がスッキリしたバスカークくんは僕を見て
何かを諦めた表情で笑っていた。

『ロングコート…大切にしますね…』

『うん…』

『ワタクシはかわいいかわいい黒ウサギさんを仲間のタコちゃんの元に届けた心優しい商人なんです………
ワタクシとアナタは知人なだけです…気にしないでください。』

目の下を腫らせながら切なく笑うバスカークくんを見つめていると
彼が僕をグイッと引っ張り頬に軽くキスをした…………

『唇はタコちゃんのですからね………フフッ…頬奪っちゃいましたよ…
………………では、さよなら………ネイダールさん………』

『…ズルいなぁ…………やっぱりタコちゃんに似て臆病かー』

『えっ??キャッ!!ネイダール…さ………』

満足して後ろを振り返り帰ろうとしたから追いかけて壁に追い詰めて
ムカついたから僕から大人のキス…を長くしてやった!!
既にタコちゃんには何回もしているから大丈夫な筈!!

『ンッ…りゃめ………でしゅ…んんっ!!!こんなっ………
わ、わしゅれ…んんっ…られな………』

『君が幸せになれるなら忘れなくていいから…
君もタコちゃんに似て臆病なんだね…
全く…どっちがズルいんだろうねぇ?
バスカークくんのファーストキス奪っちゃったねぇー』

暫くして腰が砕けたのかその場にペタンっと座って息を荒々しく
するバスカークくん
どことなく嬉しいような表情をしながら手で胸を押さえて
幸せを感じたかのように笑っていた。

『アハハ…奪われちゃいました…忘れ…られませんよ………
あんな…優しい幸せなキスなんて…………』
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