『過去と今と未来』

迷わず答えれた…
大丈夫…大丈夫だ…。
安心した表情で我が答えるとそのユニットは黙ったまま我に近づき顔を近づけて言葉を放った。

『嘘つきだ。』

アルフレッド
『…っ!』

『自分を隠し、他人にも自分自身にも嘘を付いている。
本当は…』

アルフレッド
『イヤだッ!頼む!言わない…』

『アーリーよりもダークを知っていて、ダークを愛して…』

アルフレッド
『止めてくれ!ッ…お前は…お前は…誰なんだ!!』

『我はお前だ。お前が捨てた過去の記憶…。』

我の過去…?
捨てた?
何を?

『アーリー側にもダークネス・キング・アーリーが居るように、ダークにもダークスピリットが居るように…我もまた影だ。』


アルフレッド
『我は騎士王の光の魂なのだぞ?そんな影がある訳が…』

『いや、どれだけ明るくて笑っている奴にも必ずしも影という闇はある。騎士王にもあったようにな。』

不思議な感覚だ、コレが闇を持つ者の感覚か?

『そして、我はお前自身の欲望だ。』

アルフレッド
『欲望…?』

『うむ。ダークを愛してしまった後悔と罪悪感で壊れてしまう我自身だ。』

本当に影なのか?我は夢を見ているのではないか?
頭の中が混乱している我を影は抱きしめながら呟いた。

『可哀想な我よ…愚かにも弟アーリーの愛おしい人ダークを愛した為にこんな苦しみを味わって居るのだな…そうだな。忘れたくないな…この気持ちは嘘では無いからな…。』

ああ…幻影でもいい、もうコイツが誰だろうと気にしない。
だって今我が考えてる事を影が全て言葉にしてくれたのだから…
目を閉じて涙を流す…
誰にも見せたくなかった涙を流した。

アルフレッド
『っ…ダーク…』

『苦しいだろう?そうだ…コレが恋であり、愛だ。
お前はやっと愛を知ったんだ…』

我の流れている涙を拭いながら優しく微笑みながら伝える影…
流しても流しても枯れない涙を我は心の中でどれだけ流していたのだろうか?
ダークが幸せそうにアーリーと居るとあの隣が我だったら今頃…とずっとずっと思っては否定して来た感情をまた流している。

『流しても流しても枯れない涙を…感情を何度流すのだろうな。』

もう何度目かは覚えていない。
影にしがみつき泣きじゃくる…必要以上に影は何もしてこない。
むしろ優しく抱きしめて頭を撫でて我を慰めていた。

『大丈夫だ、我よ…今だけ今だけ泣いてそして未来に歩いて行け。我の知らぬ希望に満ちた道を歩いて幸せになるんだ。』

切なそうな声で慰めていた影が未来を語りだした…
未来に希望など我にあるのだろうか?
3/8ページ
スキ