『君を想う私の…』闇エクシード✕アルフレッド

抱きしめてくれている腕はまさしく彼の腕なのに
あんなにも望んでいた彼の腕なのに…………
彼に気付かれないように背中を腕を愛おしく見つめるだけだけど…………ディストピアに似た大きな身体。

『エクシード?』

『アルフレッドは黙っていて…』

『…は、はい。』
(声が穏やかになった?少しは気持ちが楽になったのか?)

空気を読まない所も彼らしくて…また好きな所を想い出した…
ギューッと抱きしめ返すと僅かに戸惑った手が私の頭を撫でた。

『ッ…アルフレッドっ!あの時に戻れるなら私はっ!君ともう一度っ…』

『そうだな…もう一度やり直せたらだな…。』

どれだけ願っても、もう全てが通り過ぎた過去で
返ってこないモノばかりなんだ…
力強く抱きしめ返した流れる涙を止めることは出来なくて
後悔という気持ちと共に流れ出した…

『…アハハ、君ももう一度やり直したいのかい?
馬鹿だね…本当…馬鹿だね…』

『そんな我に…小生に付いてきてくれたのは…お前だけなんだぞ?ありがとう…』

優しい声色で互いを確かめるように誰にも邪魔されない空間で気持ちを伝え合った…
夢みたいで現実味が無くて互いに笑い合っていた。

『当たり前じゃないか…そんな君を見てあげれるのは私しか…………』

『そうだな、エクシード…お前しか居ないな。』

ビックリして目を見開きながら私は彼を見た
少し離れて見つめる彼は私の知る彼ではなくまるで
大切な人を想うような優しい表情だった…………
知らない…こんな彼は知らない…

『ッ…』

『大丈夫だ…今は小生とお前しか居ないから…』

身体を離そうとした瞬間アルフレッドに引き止められた
夢にまで見たアルフレッドを私はゆっくりと触れて
確かめていく…彼は抵抗しなかった。
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