『悪に染まった英雄と光の王』ジョーカー&アルフレッド

周りが自分たちを不思議がりながらザワザワしだすとアルフレッドはニコッと笑いながら私の手を握りしめ歩き始めた。

『全く、探していたんだぞ?エクシード!ほら今日は小生の部屋で久々に話をする約束だったじゃないか!行くぞ!』

アルフレッドがワザと声に出しながら歩き始めると周りはなーんだ!とかいう表情をしながら仕事に戻り当たり前の風景に戻った。

『流石は王だね、君の一声だけで周りが変わったよ…』

『…小生はもう、王では無いんだ。』

切なく彼は呟き自室のドアを開けて中に入った
鍵を閉められて焦るが何故か彼なら安心出来るという気持ちが上回り自然とソファに座った。

『王じゃないって、君は…』

『…やっぱりお前はエクシードじゃ無いんだな?
我は…いや、小生は今の世界になって甥のエクスカルペイトに王を引継がせたんだ。』

えっ…………?ハッ!!と気づくそうか…私は過去からデータを取られた存在だから今の彼を知らなかったんだ…………
ショックと悲しみと…………後何とも言えない気持ちが溢れて自分自身を落ち着かせるためとどう足掻いてもエクシードになれない自分に嫌気が差して笑いが止まらなかった。

『ヒハハハッ!!なーんだ…私が知らない間にこんなに君の世界は光り輝いて…………ッ……君が救われた世界はこんなに綺麗な世界なんだね。』

溢れそうな涙を堪えながら震えた声で彼に投げかける
どうしてなんだろう?エクシードと彼が作ったこの何処かで自分自身が望んでいた世界を今見て聞いて嬉しい筈なのに…
何で悲しいんだろう…
嬉しい筈なのに…

『もしかして、お前はあの時の…ブラスター・ジョーカーか?』

『…!!!』

『そうか…お前の世界では小生はお前を護れ………』

『違う!君は私を…ごめんね。
あの時私が君を信じて側に居たら…………
私が裏切ってしまったから………私が…………』

(ジョーカーの瞳が赤くなって目の中が…リングが重なったみたいな…)

作られてから何度私は君を…アルフレッドを失った後悔と罪悪感と闘ったか毎日毎日思い出されるのは君が泣きそうな表情をしながら私の手を握りしめて止めたあの時の風景…
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