『流した涙の意味は…』

−−ディストピアSide

『セラス様、本日もお疲れ様です。ゆっくり休んでくれ…』

すやすやと安らかな寝息を立てながらセラス様は寝てくれた
実は少し前に紅茶を汲みそれの中に睡眠薬を入れさせてもらった
良かった…少しでも『哀しみ』が消えて。

『我は…………アルフレッドでは…………』

『いいや、君はアルフレッドだよ?間違いなく。』

『…ジョーカー?』

泣けない自分自身を恨みながら呟いていると先程出掛けたはずのジョーカーが帰ってきていた。

『ほら、アルフレッド…おいで。
君は他者の哀しみを楽にするけどじゃあ、君の哀しみは誰が楽にするんだい?』

『ジョーカー…いや、大丈夫だ我は…………』

『アルフレッド!!私の言う事が聞けないのかい?
私と君は唯一無二の友なのだよ?』

ドクンッ!!と心臓が脈を打つ…
ジョーカーの声がエクシードに聞こえ罪悪感が一気に襲いかかる
ズキンッと頭が痛くなりフラッシュバックのようにエクシードを失って助けれなかった事を思い出す…

『違うっ…エクシードはっ!あの時に我が助けれなくて…………』


(…そう、そのまま気絶するまでいつも通り君は自分自身を責めて後は私に任せて…………………)

ぐるぐると哀しみと後悔が頭の中で駆け回り徐々に息ができなくなる。

『ッ…ハッ…クッ………すまない…エクシードッ……我は…』

涙を流せない自分自身に嫌気がさす流せれば楽になれるのだろうか?いやこの哀しみは後悔は……………

『アルフレッド様、私はアナタのお側に居ますから……
大丈夫ですよ。』

グチャグチャと何かがかき混ぜられているような…
息が………苦しい………違う……エクシードはっ……
ジョーカー………で………

『エクシードっ……………』

ギュッと抱きしめられ耳元で囁かれた

『アルフレッド様…私はアナタのせいで…堕ちました、ずっとその後悔を引きずり続けてくださいね…ククッ!!』

目を見開き驚きながら最後の力を振り絞りながら抵抗をして…………
ドンッと閉まっていたドアに当たりズルズルッと崩れ落ちゆっくりと目を閉じ届かない光に手を差し伸べ我は気を失った…………。

『エクシードっ………お前だけでも……ッ…』
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