『夜にしか会えない君は…』

『ッ…ゲホッ…ゲホッ…!!』

この日小生は久しぶりに風邪を引いてしまった
息をする度に咳が出て息苦しい
涙を流しながら咳に耐えながら立とうとした瞬間フラッとして倒れかけた…

『っと!危ねぇな!アルフレッド!!大丈夫か?』

瞼が重くて目を閉じながらだが声は覚えていた
頭の中がぐるぐる回る中小生より背が高い存在に支えられ
安心し力が無くなった…

『…グ…グレー………………。』

小生がボソッと呟いた名前の主が返事をする前に小生の身体は力が無くなり意識を失った…

−−−−−−−−−−−−グレー(セラス)side

『熱出して意識朦朧としてるのに何で俺って分かんだよ!
とりあえず、寝かせて…会いたくねぇけどエクシードに伝える……………っと………え?』

今日もアルフレッドに会いに夜に頑張ってロイパラに来たんだが何故か部屋に入った瞬間フラッとアルフレッドが倒れかけたから支えて声をかけたらアルフレッドが目を閉じてる筈なのに俺をグレーと認識した…
マジでコイツ凄いわ、王してただけあんな…うん。

『アルフレッドーそんな力強く服引っ張らなくても………』

『ッ…わ、我は…王だから…が、頑張らなけれ…ば…』

…熱に魘されているのかアルフレッドは涙を流しながら王時代を夢で見ているんだな?
そう言えばディストピアもこうなるな?はぁ…仕方ねぇな…

『グスッ…やだっ…一人にしないでぇっ…良い子で…王をちゃんとするからっ………………た、助け…………』

『分かった、分かった…ほら、もう泣くな。
俺が居るだろ?今日は居てやるから…泣くな…』

『…ほ、本当か…?ありがとう…コレで…我も…』

ギュッと俺の服を握っていた手が力を無くし離れた
苦しがっていたアルフレッドは安心したような表情をしながら涙を流してはいたが寝ていた。

『【哀しみ】か…良い感情だ、その感情貰うぜ?アルフレッド…』

アルフレッドの額に手をかざし感情を奪い取る…
【哀しみ】を奪い取り少し楽そうになったアルフレッドを見て俺は約束通り側にいる事にした…
あ~ぁ…夜だけって言ったんだけどなぁ………仕方ねぇな。
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