猛暑の原因

「…自分の治めている村を放置して遊んでる奴にそんなこと言われたくないってんだ」

「村のために何もせず引きこもっている家畜以下の長に言われたくないってんだ」

何も言い返せないダクロは何も聞きたくないと言わんばかりに耳を塞ぐ。
だが、そんなことを許すはずがないジュラアに蹴りを入れられる。
これ以上ダクロの情けない姿を見たくないジェーンは女の子を連れて部屋を出る。

「…あの餓鬼は生体実験の失敗作だ。しかもかなり危ない状態だ」

「…だから何だってんだ…てかさっき元気にはしゃぎまわってうぐぁ!」

「元気に笑っていてもあの餓鬼の心には深い傷がついてしまっている。…いつモンスター化してもおかしくない」

「モンスターになったら殺せば…いだいいだいいだい!」

「負の感情が普通の失敗体よりも大きい。モンスターになったらとても厄介なことになる。そんなことになる前に心のケアをしてやればモンスター化することもない」

だらしないダクロを調教(という名の暴力)しながら説明するジュラア。
ダクロは痛みに耐えながら涙目で話を聞く。

「…そんな面倒なこと誰がやるんだってんだ」

「ダータウンの頼れる長様がしっかりやるだろう」

「は?いや何言ってるのかぁいだだだだだ!!ナイフは駄目だってんだ刺さってる痛い抜いて無理」

「貴様がイエスと言うまで抜くはずないだろ。まあ、安心しろ。一秒ごとに一本ずつ刺していってやるから。」

「この鬼畜!冗談じゃないってんだ!!」

命の危機を感じたダクロは大鎌を構える。
ジュラアはそれに応えるかのようにナイフを構える。

ドゴォー!!

「「!!」」

が、突然の物音によって遮られる。
ジュラアは舌打ちして物音の方へ向かう。
ダクロも仕方なしにジュラアの後を追う。
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