第2章 目覚める力

「…これは一体どういう状況なんだ?」

眠たい目をこすりながら問う俺。

「長の分からず屋がまたデイタ君をボコボコにするって聞かないの」

「…いや、だから何でこんな状況…」

「我は怒っているのだぞ、デイタ?主の力はまだ中途半端にしか目覚めていないではないか。

そんな中途半端な奴に我のツルギを預けるわけにはいけないぞ。」

ファボの言葉を聞き、ツルギの方を向く俺。

「ツルギ…お前…!」

「デイタ君たちと一緒に行っても良いかな?」

「もちろんだぜ!よろしくな、ツルっぐふ!」

「何を勝手に話を進めておる?」

握手を交わす前にファボの鉄拳が俺の顔に飛び込む。
ファボの目は笑っていない。
本当に怒っているようだ。

「健闘を祈るよ、デイタ君。頑張って力を完璧に目覚めさせてね」

「…もしかして、完璧に目覚めるまで…」

「あぁ。我がたっぷりと可愛がってやるぞ、デイタ」

ーーデイタ!この男は凶悪です!!ーー

アンタ…力を貸してくれてありがとうな。
そろそろ名前ぐらい教えてても良いんじゃねぇか?

ーーい、今はそれどころでは…前を向くのです!危ないです!!ーー

邸の外に俺の悲鳴が響き渡る。
こうして再びファボの地獄の稽古が始まった。
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