継がれない思いと継がれていく思い

「……気色悪いこと言うもんじゃないな…吐き気が止まらない…

…俺の肩の荷はどんどん重たくなっていく…こんなどうしようもないクソ野郎どうしろってんだ…」

そう言い、気絶しているダクロを蹴って起こすスティル。

「っう…」

「まあ、そういう訳だ。ダーシャに免じてお前さんを拷問し続けるのはやめてやる。」

「っ!長と…会ったのか…?」

「だが、俺はお前さんのことが心底好きにはなれない。
…今度情けない発言を俺の前でしたら容赦はしない、それだけは覚えておいてくれよ」

「………。」

「今からダータウンはラグースの支配下だ。ラグースに刃向かうことは許されない」

「…好きにしろってんだ」

こうしてダクロは終わらない拷問から解放されダータウンに戻ることができた。

「…はぁ…本当嫌になっちまうよ…支配なんて俺の柄じゃないってのに……
村の奴らには可哀想だが俺にはこうしてやることしかできやしない…」

「…アイツもダーシャみたいに刃向かってくれれば俺も楽なのにな…」

「…希望の薄い未来にでもかけてみるか…七色に輝いておくれよ」

この時のスティルはまだ知らない。
これからもっと肩の荷が重くなること
そして七色に輝く希望が来ることを…

継がれない思いと継がれていく思いを乗せて時は進んでいく。

Fin...
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