第2章 目覚める力

ドンっ!

「がは!…こ、ここは……」

木に激しくぶつかる音と痛みで我に戻る。

「よそ見してたら首が飛んでいっちゃうよ」

「っぐ…!!」

俺の目の前に現れ、すかさず薙刀を振る。
運良く薙刀の刃とは逆側で斬られたため、俺の首は無事だ。

「…?何で刃が逆さに…まあ、良いや。ねえ、強いんでしょ?君」

「あぁ。負けないぜ」

楽しそうに笑う戦闘狂に体勢を整えて構える。

「それ!」

「っ!」

「…?」

激しい攻撃が繰り出す中、戦闘狂は疑問を持つ。
攻撃をする度に刃が無意識に逆を向いていることに。

ーーデイタ…ーー

この声は…もしかしてアンタがまた助けてくれているのか?

ーー…助けるだなんてそんな…少し力をお貸ししているだけですーー

ーー彼の過去を見てどう思いましたか?ーー

彼の過去…?
…もしかして……

「でりゃあ!」

「っ!」

俺は戦闘狂のフードを斬り裂く。
するとフードの中からツルギと瓜二つの顔が現れる。

そうか…戦闘狂はツルギの兄ちゃんだったんだな。

昔とは随分様子が違うみてぇだが…。
13/27ページ
スキ