ずっと大すき、ダクロしゃま

「「!!」」

大きな部屋の中には二体のモンスターがいた。

「これは…」

「お前さん達の探していた両親だ。
自身を実験体にした結果、失敗してモンスター化した。
今はもう自我も無い状態だな…」

「…そんな…どうして…」

「…暑さに特化した成功作を作るのがコイツらの仕事だった。
ラグースが善の道を進むことになって、実験する必要もなくなったが…
この実験を成功させないと今まで犠牲になった者たちが無駄になると言って
俺を含め他の奴らに気付かれないように実験を続けていた訳だ。」

「………。」

「…結果的に俺が見つけてやめさせたが…
隠し持っていた実験に使っていた薬を自身に使って…今に至る」

「…殺さずにいてくれたんだな」

「…死んだらそこでお終いだ。悪いと思ってんなら生きて罪を償え…

前にお前さんが俺に言っただろ?
なあ、デイタ…赤の他人のコイツらはお前さんの命を削ってまでも救う価値のある奴らだと思えるか?」

「嫌な質問の仕方ですわね…」

「………。

価値のない命なんてこの世のどこにも存在しねぇだろ」

そう言い、両親に近づくデイタ。
そして白い炎が二人を包み込む。

「…ほんとチートな炎なもんだ」

炎が消えると共に二人は元の姿に戻っていた。

「…無事に元に戻ったみたいだな。良かったぜ」

「…デイタ…」

「…今ので寿命が200年分ぐらい削れたかもな」

心配そうな表情をするジェーンに他人事の用に言うスティル。

「大丈夫だぜ。俺は死なねぇからな」

「さすが化け物だな。ラグー様も敵わない訳だ」

手をひらひらと振り、その場から立ち去るスティル。

「…デイタ…ゴメンなさい…」

「ジェーン…?」

「私のワガママで貴方の命を…」

「おいおい…そんな顔するなよ。
俺も女の子に両親と会わせてやりてぇと思ってやったことだぜ?
それにさっきも言ったけどよ、俺は死なねぇから大丈夫だぜ」

「…うぅっ…デイタの馬鹿な所も大好きですわ」

「…俺もジェーンの優しい所好きだぜ」

「…すき…?…はぅっ」

「お、おい?!…泣いたり気絶したり忙しい奴だな…

………。

3人か…どうやって担いだら良いんだ…?」

気絶しているジェーンに両親を見て、独り言が虚しく部屋に響く。
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