問題児と苦労人と泣き虫

ー翌朝ー

「はいはーい。朝ですよー。」

「…おはようございます、へーリオス様」

「んだよ…朝からうるせーぞ」

まだ日も登っていない早朝にヤイバとサラムを起こしにきたへーリオス。
ヤイバはすっと起き挨拶をする。
寝ぼけているサラムはヤイバの元に行き、ヤイバにもたれかかっている。

「サラムが更生した記念にお初の任務をプレゼントしにきました。」

「更生って…大げさだなぁ…女遊びやめただけだろ」

「…貴方はもう少しラグースの一員という自覚を持ってください。」

「はいはーい」

「…それで、何の任務でしょうか」

「かわい子ちゃんの実験のお手伝いをして欲しいのです」

「かわい子ちゃんだと!!」

「はい。貴方たちは任務自体が初めてなのでと~っても簡単な物にしました」

「………。」

かわい子ちゃんというワードを聞き元気になるサラムに嫌な予感がするヤイバ。

「内容はシンプル!かわい子ちゃんの中に眠っている悪魔を呼び起こすだけ!」

「いや、パスだわ」

ビシッと親指を突き立ててウィンクをするへーリオス。
無理無理と手をひらひらと振るサラム。

「大丈夫ですよ。その子が死にそうになったら助けてあげるだけなんですから」

「引くぐらいにスパルタな呼び起こし方だな…つか、悪魔なんて呼んでどうすんだよ…」

「それはヒミツです。貴方たちに拒否権はありませんから早く準備してください」

拒否権のない二人は準備を済ませ、へーリオスと共にアジトの研究施設へ向かった。
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