紅い眼と蒼い眼

「「オイラ(俺)が鍛えてやるぞ(調教してやる)」」

「え?!」

「おおお!!!そうですか!!貴方がたなら安心してお任せできます!!現にダクロ様をお連れ戻りになったことですし!!」

村の皆は大喜びで賛成した。
俺は何が何だか分からないままだ。

「なあ、ダクロ。オイラとジュラアの仲間になるぞ!よろしくな」

「…え?」

「一緒に旅に出るぞ!」

「えぇええええ?!」

「俺らと旅に出れば、力のコントロールなんてできるようになるってことだ。仕方ないから許可してやる」

「お、おれなんかが…良いのか?」

「何言ってんだ!ダクロ…お前が良いんだ。」

嬉しそうに笑うファボに満足げなジュラア。
おれも嬉しくて笑う。


「よし。そうと決まればオイラとジュラアと物々交換だ。

右眼と」

「左眼をよこせ」

「えぇ?!な、な、何でだってんだ?!そんな…もらえないってんだ…それにおれの眼はもう…」

「世界はもっと広くて楽しいことだらけだぞ!」

「そんな世界を見ないのは勿体ないだろ」

ファボがジュラアよろしくと言い眼の交換が始まった。

「……っ…!!」

眼を開けると失っていた世界が再び目の前に広がっていた。

「綺麗な世界だろ」

「あぁ…とても綺麗だってんだ…」

金髪で紅い眼をしているのがファボ。銀髪で蒼い眼をしているのがジュラア。
二人ともおれとあまり変わらない歳だったんだな。

「でも…本当に良かったのか?お前らの片目…見えなくなって」

「問題ないぞ!見えるようにするから!」

「え…?」

「魔眼…いいもんゲットできたぜ」

「ええ?!」

あれ。もしかして二人とも…あんな良いこと言っときながら、本当の目的って…。

「これでタイルター一の最強に近づいたぞ!」

「タイルターで二番目の間違いだろ。一は俺だ。」

…そういうことかってんだ…。

長…信じるだけじゃなくて疑うことも大事なんだな…。

でも、おれも長みたいに強くて優しい長になるってんだ。

ありがとう…長。

「ファボ、ジュラア…これからよろしくだってんだ」

「お!やっと名前で呼んでくれたか!よろしくな!」

「フッ…仕方ないな」

こうしておれは、ファボとジュラアと共に新しい道を歩み始めた。
これからの道に期待と楽しみで胸をふくらます。
fin...
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