問題児と苦労人と泣き虫
ー後日ー
「いやー。悪魔が目覚めたのは良いことですが随分と傲慢な悪魔でしたね。」
「傲慢な悪魔とはご自身のことを言っているのでしょうか」
へーリオスの部屋に呼び出されたヤイバは無表情で毒を吐く。
へーリオスは両手を肩の高さに上げて首を横に振る。
あれからヤイバ達は医務室に連れていかれ治療を受けていた。
「そんなに怒らないでくださいよ、ヤイバ。ちょっと刺さったぐらい気にしていてはダメですよ」
「思いっきり貫通していましたが。俺を利用して悪魔とやらを目覚めさせることができて良かったですね。それでは」
「こらこら。まだ話が終わっていないですよ。」
ヤイバの頭をポンポンと優しく叩きながら、部屋に戻すへーリオス。
「悪魔が目覚めたのは一瞬だけなのです。ですが、これは大きな一歩!レイも貴方にすっかり懐いて…さすがヤイバ。」
「…レイの実験は続けるのですか?」
「ええ、勿論。悪魔の憑依時間を伸ばしていかないといけませんからね。」
「………。」
「落ち込むことはないですよ。レイも貴方のためならと乗り気ですからね。それに実験施設から自由に出入りできるようにしましたから伸び伸びと貴方達と生活できますよ。
…あ、これからの任務は貴方達3人組でこなしてもらいます。しっかりと2人の調教をしてくださいね、ヤイバ。」
「…努力します」
重たいプレッシャーを感じながら部屋を出るヤイバ。
こんな理不尽なヒトの下で働かないといけないのかと思うと胃が裂けそうなぐらいに激しく痛む。
「ヤイバ…!もう大丈夫なの…って、顔色悪いけど大丈夫?」
部屋に戻る途中にレイと出会う。レイは心配そうにヤイバの顔を覗いている。
みすぼらしい姿から一変、身なりが綺麗になっていた。
手入れされていなかった髪も短く整えられていた。
「大丈夫だ…いつものことだ」
「…ヤイバ…可哀想……」
理不尽な仕打ちを受けるヤイバにやりきれない気持ちになるレイ。
「ヤイバに迷惑かけないようにレイ実験されるの頑張るから…!」
「………。」
ヤイバの手を握って一生懸命に伝えるレイ。
複雑な心境のヤイバは目をそらす。
「おいおい。泣き虫。馴れ馴れしく俺様のヤイバに触るな」
「うげ…サラム…」
ふらりと現れたサラムにヤイバから引き剥がされるレイ。
「ヤイバ、今日も元気そうだな。」
「…お前は今日も訓練サボっているのか」
「お前を待っていたんだよ、ヤイバ。俺様を守ってくれるんだろ?訓練に参加してやるよ」
「………。
…疲れが取れていないのか…幻聴が…」
サラムの予想外な発言に瞬きを繰り返すヤイバ。
「…お前が死にそうになっている時に助けられずに気絶していただなんて情けないだろ」
「…サラム……」
申し訳なさそうにするサラム。
お前もまんまとへーリオス様の手中に落ちているぞ…
しかし、今まで訓練に一度も参加してこなかったサラムが自ら訓練をしようとしているのは喜ばしいことだ。
これでへーリオス様の理不尽な要望も少しは減ると良いのだが…
と、心の中でぼんやりとぼやくヤイバ。
訓練場に向かうヤイバとサラム。レイは実験施設へと帰っていった。
こうして、ラグースの仲良し3人組の日々が始まった。
後日談…
あれからサラムは訓練に参加したが過酷な訓練に絶えれず、すぐに逃げ出したとさ…
苦労人ヤイバの苦労はまだまだ絶えない。
fin...
「いやー。悪魔が目覚めたのは良いことですが随分と傲慢な悪魔でしたね。」
「傲慢な悪魔とはご自身のことを言っているのでしょうか」
へーリオスの部屋に呼び出されたヤイバは無表情で毒を吐く。
へーリオスは両手を肩の高さに上げて首を横に振る。
あれからヤイバ達は医務室に連れていかれ治療を受けていた。
「そんなに怒らないでくださいよ、ヤイバ。ちょっと刺さったぐらい気にしていてはダメですよ」
「思いっきり貫通していましたが。俺を利用して悪魔とやらを目覚めさせることができて良かったですね。それでは」
「こらこら。まだ話が終わっていないですよ。」
ヤイバの頭をポンポンと優しく叩きながら、部屋に戻すへーリオス。
「悪魔が目覚めたのは一瞬だけなのです。ですが、これは大きな一歩!レイも貴方にすっかり懐いて…さすがヤイバ。」
「…レイの実験は続けるのですか?」
「ええ、勿論。悪魔の憑依時間を伸ばしていかないといけませんからね。」
「………。」
「落ち込むことはないですよ。レイも貴方のためならと乗り気ですからね。それに実験施設から自由に出入りできるようにしましたから伸び伸びと貴方達と生活できますよ。
…あ、これからの任務は貴方達3人組でこなしてもらいます。しっかりと2人の調教をしてくださいね、ヤイバ。」
「…努力します」
重たいプレッシャーを感じながら部屋を出るヤイバ。
こんな理不尽なヒトの下で働かないといけないのかと思うと胃が裂けそうなぐらいに激しく痛む。
「ヤイバ…!もう大丈夫なの…って、顔色悪いけど大丈夫?」
部屋に戻る途中にレイと出会う。レイは心配そうにヤイバの顔を覗いている。
みすぼらしい姿から一変、身なりが綺麗になっていた。
手入れされていなかった髪も短く整えられていた。
「大丈夫だ…いつものことだ」
「…ヤイバ…可哀想……」
理不尽な仕打ちを受けるヤイバにやりきれない気持ちになるレイ。
「ヤイバに迷惑かけないようにレイ実験されるの頑張るから…!」
「………。」
ヤイバの手を握って一生懸命に伝えるレイ。
複雑な心境のヤイバは目をそらす。
「おいおい。泣き虫。馴れ馴れしく俺様のヤイバに触るな」
「うげ…サラム…」
ふらりと現れたサラムにヤイバから引き剥がされるレイ。
「ヤイバ、今日も元気そうだな。」
「…お前は今日も訓練サボっているのか」
「お前を待っていたんだよ、ヤイバ。俺様を守ってくれるんだろ?訓練に参加してやるよ」
「………。
…疲れが取れていないのか…幻聴が…」
サラムの予想外な発言に瞬きを繰り返すヤイバ。
「…お前が死にそうになっている時に助けられずに気絶していただなんて情けないだろ」
「…サラム……」
申し訳なさそうにするサラム。
お前もまんまとへーリオス様の手中に落ちているぞ…
しかし、今まで訓練に一度も参加してこなかったサラムが自ら訓練をしようとしているのは喜ばしいことだ。
これでへーリオス様の理不尽な要望も少しは減ると良いのだが…
と、心の中でぼんやりとぼやくヤイバ。
訓練場に向かうヤイバとサラム。レイは実験施設へと帰っていった。
こうして、ラグースの仲良し3人組の日々が始まった。
後日談…
あれからサラムは訓練に参加したが過酷な訓練に絶えれず、すぐに逃げ出したとさ…
苦労人ヤイバの苦労はまだまだ絶えない。
fin...