問題児と苦労人と泣き虫
〈ア゛ァアアア゛ア!!〉
高さ3メートルを普通に超えている大きなモンスターが出てきた。
そのモンスターは頭が二つあり、様々なモンスターの体が繋がっておりキメラを想像させるような姿をしていた。
モンスターは今にでも襲いかかってきそうなぐらいに興奮している状態である。
そんなモンスターを前にレイは涙目で震えている。
ヤイバとサラムはモンスターを観察している。
「俺様いつも思うんだけどよ…ラグースの研究員は見た目のセンスがないよな」
「…強さに見た目のセンスはいらないんだろう」
間の抜けた事を言うサラムに淡々と答えるヤイバ。
「…頑張らなきゃ…頑張らなきゃ…」
レイは震えながらもモンスターの前に出る。
モンスターは容赦無くレイに飛びかかりに行く。
ザシュ
実験場に裂ける音が響き渡る。
【おや…ラグースの苦労の結晶を一発で仕留めるとはさすがですね、ヤイバ。数えきれない命たちが報われず無駄に消えましたよ】
キメラはヤイバの攻撃によってバラバラになって崩れ落ちた。
「すみません。体が勝手に動いてしまいました」
【はぁ…真面目な貴方は任務をちゃんとこなす子だと信じていたのですが…実験体にまで情を持つとは…】
反省の色のないヤイバに困ったように呟くへーリオス。
ヤイバは後ろにいるレイの方へ向き、しゃがむ。
レイは何か言いたげにヤイバを見ている。
「…もう大丈夫だ」
「……っ…?」
レイは溢れ出る涙に困惑している。
恐怖で流れる涙ではなく、乾いた心を癒してくれるような温かい涙。
「あーあ…まんまとへーリオスの手中に落ちてんじゃねぇーよ、ヤイバ」
感動の場面に水を差すサラム。
「…どういうことだ?」
「ただ損傷させても悪魔を呼び起こせてないんだろ?それなら次は違う手でくるだろ」
「さすが、サラム。僕のことをよく分かっていますね」
拍手と共に現れるへーリオス。
バラバラになったキメラにお構いなしに三人の元へ歩みを進める。
ヤイバはいつも通り嫌な予感を感じとる。
「ヤイバは問題児のサラムの才能を開花させた才能開花の達人ですもんね。」
「…才能開花の達人って何ですか……」
へーリオスはクロウを装備しているヤイバの手を握る。
クロウが手に喰い込むがお構いなしにブンブンと上下に振る。
ヤイバはこのまま斬り裂いてしまいたい気持ちをぐっと抑える。
「この哀れな実験体の才能だって開花させてくれますよね?」
「…ちょっと何を言っているのかよく……」
「ラグー様は強さに心は不必要という考えをお持ちです。しかし、貴方達は心を捨てることを抗いやりたい放題…貴方達のきらめく才能に免じて見逃してあげている僕は神だと思いませんか?」
「………そうですね」
「貴重な悪魔の器だって貴方のためなら才能を開花させるでしょう」
そう言い、ヤイバの手を離すへーリオス。
ヤイバは身の危険を感じ、へーリオスと距離を取ろうとするが…
「っぐ…」
光の刃がヤイバの体を貫く。
ヤイバはその場に崩れ落ちる。
「ヤイバ!!…お前ヤイバに何しやがる…!」
サラムはへーリオスの喉元に雷を纏った細剣を突きつける。
「おやおや、随分と使いこなしてくれていますね。授けてくれた神も喜んでいますよ。…ですが、今は貴方の出番ではないです。」
そう言い、サラムを容易く気絶させるへーリオス。
「さてさて。レイ…私もあまりこういうことはしたくはないのですが、貴方の中にいる悪魔をラグー様が必要とされているのでね。頑張って、呼び起こしましょうね」
顔に笑顔を貼り付けて、再び光の刃をヤイバに向ける。
「や、やめて…っ…!…ヤイバを殺さない、で…!!」
「泣けますねぇ」
ヤイバに降りかかる攻撃を身を挺して受け止めるレイ。
損傷した体から闇の力が溢れ出し、レイを包み込む。
へーリオスは興味深そうに見ている。
「…汚らわしい虫けら共…我に見合う器は無かったのか…?」
そして容姿の変わったレイから激しい闇の力が巻き起こり、実験場を大破させる。
高さ3メートルを普通に超えている大きなモンスターが出てきた。
そのモンスターは頭が二つあり、様々なモンスターの体が繋がっておりキメラを想像させるような姿をしていた。
モンスターは今にでも襲いかかってきそうなぐらいに興奮している状態である。
そんなモンスターを前にレイは涙目で震えている。
ヤイバとサラムはモンスターを観察している。
「俺様いつも思うんだけどよ…ラグースの研究員は見た目のセンスがないよな」
「…強さに見た目のセンスはいらないんだろう」
間の抜けた事を言うサラムに淡々と答えるヤイバ。
「…頑張らなきゃ…頑張らなきゃ…」
レイは震えながらもモンスターの前に出る。
モンスターは容赦無くレイに飛びかかりに行く。
ザシュ
実験場に裂ける音が響き渡る。
【おや…ラグースの苦労の結晶を一発で仕留めるとはさすがですね、ヤイバ。数えきれない命たちが報われず無駄に消えましたよ】
キメラはヤイバの攻撃によってバラバラになって崩れ落ちた。
「すみません。体が勝手に動いてしまいました」
【はぁ…真面目な貴方は任務をちゃんとこなす子だと信じていたのですが…実験体にまで情を持つとは…】
反省の色のないヤイバに困ったように呟くへーリオス。
ヤイバは後ろにいるレイの方へ向き、しゃがむ。
レイは何か言いたげにヤイバを見ている。
「…もう大丈夫だ」
「……っ…?」
レイは溢れ出る涙に困惑している。
恐怖で流れる涙ではなく、乾いた心を癒してくれるような温かい涙。
「あーあ…まんまとへーリオスの手中に落ちてんじゃねぇーよ、ヤイバ」
感動の場面に水を差すサラム。
「…どういうことだ?」
「ただ損傷させても悪魔を呼び起こせてないんだろ?それなら次は違う手でくるだろ」
「さすが、サラム。僕のことをよく分かっていますね」
拍手と共に現れるへーリオス。
バラバラになったキメラにお構いなしに三人の元へ歩みを進める。
ヤイバはいつも通り嫌な予感を感じとる。
「ヤイバは問題児のサラムの才能を開花させた才能開花の達人ですもんね。」
「…才能開花の達人って何ですか……」
へーリオスはクロウを装備しているヤイバの手を握る。
クロウが手に喰い込むがお構いなしにブンブンと上下に振る。
ヤイバはこのまま斬り裂いてしまいたい気持ちをぐっと抑える。
「この哀れな実験体の才能だって開花させてくれますよね?」
「…ちょっと何を言っているのかよく……」
「ラグー様は強さに心は不必要という考えをお持ちです。しかし、貴方達は心を捨てることを抗いやりたい放題…貴方達のきらめく才能に免じて見逃してあげている僕は神だと思いませんか?」
「………そうですね」
「貴重な悪魔の器だって貴方のためなら才能を開花させるでしょう」
そう言い、ヤイバの手を離すへーリオス。
ヤイバは身の危険を感じ、へーリオスと距離を取ろうとするが…
「っぐ…」
光の刃がヤイバの体を貫く。
ヤイバはその場に崩れ落ちる。
「ヤイバ!!…お前ヤイバに何しやがる…!」
サラムはへーリオスの喉元に雷を纏った細剣を突きつける。
「おやおや、随分と使いこなしてくれていますね。授けてくれた神も喜んでいますよ。…ですが、今は貴方の出番ではないです。」
そう言い、サラムを容易く気絶させるへーリオス。
「さてさて。レイ…私もあまりこういうことはしたくはないのですが、貴方の中にいる悪魔をラグー様が必要とされているのでね。頑張って、呼び起こしましょうね」
顔に笑顔を貼り付けて、再び光の刃をヤイバに向ける。
「や、やめて…っ…!…ヤイバを殺さない、で…!!」
「泣けますねぇ」
ヤイバに降りかかる攻撃を身を挺して受け止めるレイ。
損傷した体から闇の力が溢れ出し、レイを包み込む。
へーリオスは興味深そうに見ている。
「…汚らわしい虫けら共…我に見合う器は無かったのか…?」
そして容姿の変わったレイから激しい闇の力が巻き起こり、実験場を大破させる。