問題児と苦労人
「………っ…」
「ヤイバ!目が覚めたか!」
あれから数日後、眠り続けていたヤイバは目を覚ました。
看病をしていたサラムは嬉しそうに笑う。
…が、すぐに俯いて言葉をつまらせる。
「……サラム…お前は生きていてくれたんだな…」
「…あぁ…ヤイバのおかげでな…」
力なく笑うサラムをじっと見つめるヤイバ。
「…お前が責任を感じる必要はない。仲間が殺されるのはラグースでは普通のことだ」
「…その割にはお前だけは仲間を大事にしていただろ……って、何笑ってんだよ!」
泣き出しそうなサラムの様子を見て微笑むヤイバ。
サラムは何だか恥ずかしくなり怒る。
「…すまない…やっぱお前は優しいんだなって…嬉しくてつい…」
「…ははーん。こんな化け物の集団に俺様みたいな優しい奴はいないだろ」
「そうだな…お前がいてくれて本当に良かった」
嬉しそうに笑うヤイバにサラムは調子が狂う。
「…俺様ずっとヤイバのこと笑わない堅物だと勘違いしてたぜ…話してみるとすごくいい奴なんだな…」
「…そうか。俺もサラムのことをサボり癖のあるだらしない奴だと勘違いしていた。話してみないと分からないもんだな」
「………お前、意外に毒舌なんだな…」
まあ、それは勘違いじゃなくて当たっているぜヤイバ…と心の中でぼやくサラム。
トントン
「サラム~いい加減出てきてくださいー…まだあのこと怒っているのですかー?」
ドアのノックの音が響き、へーリオスの声が聞こえる。
「うるさい!へーリオスなんか嫌いだ!話かけるな!!」
「困りましたねぇ…せっかくネフェレーを説得できたのに…このままでは容赦無く殺されますね…」
困ったように呟くへーリオスに敵意剥き出しのサラム。
「サラム…へーリオス様も暇じゃないんだぞ…」
「何言ってんだよ、ヤイバ…!アイツがお前の仲間たちを殺したんだぞ…!!」
「……ラグースのルールだ…ラグースにいる限り従うしかないんだ…」
「……そうかよ…見損なったぜ、ヤイバ…!!こんな狂った所なんてやめ…っ!!」
「それはよろしくない判断ですね、サラム。」
いつの間にか入ってきていたへーリオスに首を掴まれるサラム。
「私がいる限り貴方はラグースを抜け出すことなんてできっこないのですから。」
「…あはは…冗談も通じないのか?へーリオス」
両手を上げて降参のポーズを取るサラム。
悪い冗談ですねーと、へーリオスはにっこりと笑って首から手を離す。
「おや…目が覚めたのですね、ヤイバ。可愛いモフモフのお耳が無くなってしまって…可哀想に…」
ヤイバに気づき、再生したとんがった耳を撫でる。
ヤイバは前より身軽になったんでとへーリオスと距離を取る。
「しかし…サラムは誰の言うことも聞かない困ったちゃんですね…」
「ラグーのために強くなって何の意味があるんだよ」
「…今の失言は聞かなかったことにしましょう。
そうですね…それなら貴方の大好きなヤイバのために強くなってください、サラム」
「ヤイバのためか…それなら仕方ないな」
へーリオスの提案にご満悦なサラム。
「ということなので、サラムのことよろしく頼みますよ。ヤイバ」
「…俺…ですか…?」
「えぇ、貴方の言うことならサラムは聞くと思うので。しっかりと調教してくださいね」
「………。」
そう言い、ヤイバの肩に手を乗せるへーリオス。
ヤイバは肩に乗る大きなプレッシャーに頷くことしかできなかった。
こうして問題児サラムと苦労人ヤイバのコンビが結成された。
fin...
「ヤイバ!目が覚めたか!」
あれから数日後、眠り続けていたヤイバは目を覚ました。
看病をしていたサラムは嬉しそうに笑う。
…が、すぐに俯いて言葉をつまらせる。
「……サラム…お前は生きていてくれたんだな…」
「…あぁ…ヤイバのおかげでな…」
力なく笑うサラムをじっと見つめるヤイバ。
「…お前が責任を感じる必要はない。仲間が殺されるのはラグースでは普通のことだ」
「…その割にはお前だけは仲間を大事にしていただろ……って、何笑ってんだよ!」
泣き出しそうなサラムの様子を見て微笑むヤイバ。
サラムは何だか恥ずかしくなり怒る。
「…すまない…やっぱお前は優しいんだなって…嬉しくてつい…」
「…ははーん。こんな化け物の集団に俺様みたいな優しい奴はいないだろ」
「そうだな…お前がいてくれて本当に良かった」
嬉しそうに笑うヤイバにサラムは調子が狂う。
「…俺様ずっとヤイバのこと笑わない堅物だと勘違いしてたぜ…話してみるとすごくいい奴なんだな…」
「…そうか。俺もサラムのことをサボり癖のあるだらしない奴だと勘違いしていた。話してみないと分からないもんだな」
「………お前、意外に毒舌なんだな…」
まあ、それは勘違いじゃなくて当たっているぜヤイバ…と心の中でぼやくサラム。
トントン
「サラム~いい加減出てきてくださいー…まだあのこと怒っているのですかー?」
ドアのノックの音が響き、へーリオスの声が聞こえる。
「うるさい!へーリオスなんか嫌いだ!話かけるな!!」
「困りましたねぇ…せっかくネフェレーを説得できたのに…このままでは容赦無く殺されますね…」
困ったように呟くへーリオスに敵意剥き出しのサラム。
「サラム…へーリオス様も暇じゃないんだぞ…」
「何言ってんだよ、ヤイバ…!アイツがお前の仲間たちを殺したんだぞ…!!」
「……ラグースのルールだ…ラグースにいる限り従うしかないんだ…」
「……そうかよ…見損なったぜ、ヤイバ…!!こんな狂った所なんてやめ…っ!!」
「それはよろしくない判断ですね、サラム。」
いつの間にか入ってきていたへーリオスに首を掴まれるサラム。
「私がいる限り貴方はラグースを抜け出すことなんてできっこないのですから。」
「…あはは…冗談も通じないのか?へーリオス」
両手を上げて降参のポーズを取るサラム。
悪い冗談ですねーと、へーリオスはにっこりと笑って首から手を離す。
「おや…目が覚めたのですね、ヤイバ。可愛いモフモフのお耳が無くなってしまって…可哀想に…」
ヤイバに気づき、再生したとんがった耳を撫でる。
ヤイバは前より身軽になったんでとへーリオスと距離を取る。
「しかし…サラムは誰の言うことも聞かない困ったちゃんですね…」
「ラグーのために強くなって何の意味があるんだよ」
「…今の失言は聞かなかったことにしましょう。
そうですね…それなら貴方の大好きなヤイバのために強くなってください、サラム」
「ヤイバのためか…それなら仕方ないな」
へーリオスの提案にご満悦なサラム。
「ということなので、サラムのことよろしく頼みますよ。ヤイバ」
「…俺…ですか…?」
「えぇ、貴方の言うことならサラムは聞くと思うので。しっかりと調教してくださいね」
「………。」
そう言い、ヤイバの肩に手を乗せるへーリオス。
ヤイバは肩に乗る大きなプレッシャーに頷くことしかできなかった。
こうして問題児サラムと苦労人ヤイバのコンビが結成された。
fin...