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問題児と苦労人

「…やればできるもんなんだな」

「お前…訓練したらもっと伸びるだろ」

本気で殺しにかかる者たちの攻撃から細剣を使いヤイバを守るサラム。
隠れた才能が開花したサラムに満足そうなヤイバ。
見事に自分たち以外の者を気絶させた。

「素晴らしい!見てください、ネフェレー!!」

「…さっきから見ている。少しできるぐらいではしゃぐな」

デスマッチを遠いところから眺めているへーリオスにネフェレー。

「やはりヤイバは仲間を殺さないか…これでは意味がないな」

「そうですねー。ここは心を鬼にしますか」

そう言い、訓練場に移動するへーリオス。

「……へーリオス様…!」

「あ!へーリオス!!お前さっきはよくもぶん投げてくれたな!!」

「サラム…よく生きててくれました。あなたがこの戦いに勝つことを信じていますよ」

気絶している者の一人に注射を打ち込むへーリオス。
そして微笑みを残し、この場から消え去っていった。

「……そう簡単にはいかないか…」

「…何がだよ?つか、へーリオスの奴何し…っ?!!」

注射を打ち込まれた者の姿がみるみると変わっていき、半身狼の姿をした大きなモンスターと化した。

「…な、んだよ…これ…」

恐ろしい姿をしたモンスターに恐怖で動けないサラム。
ヤイバは何かを決意し、そのモンスターに立ち向かう。

「…すまない…っ…!!」

素早くモンスターの懐に入り首を狙う。
しかし、躊躇してしまい一瞬の隙が生まれる。

「ヤイバ!!」

モンスターの攻撃により、右半分の顔に重度の怪我を負う。
ヤイバはその場に崩れ落ちる。
サラムはモンスターに攻撃してモンスターをヤイバから離す。

「おい!ヤイバ!!返事しろよ!!」

必死に呼びかけるが応答は返ってこない。
モンスターは容赦無くサラムに襲いかかる。

「…ふざけんじゃねぇぞ……ヤイバはお前らのこと仲間だと言って殺さなかったんだぞ!!」

激しい電流を纏った細剣をモンスターに向かって突き出す。

「俺は大切な仲間を傷つけるような奴は仲間だと認めない!!」

そして細剣はモンスターの体を貫いてチリと化させた。
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