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問題児と苦労人

「何だよ…へーリオス……って、何で泣いてんだよ…」

翌日の朝、へーリオスがいつも通りサラムを訓練場へ連れて行く。
いつもと様子が違うへーリオスに大人しく従うサラム。

「可愛い可愛いサラム~!今日がお別れの日だと思うと涙が止まらないんです」

「苦しいから!…俺様死ぬの?」

へーリオスの強い抱擁に鬱陶しそうにするサラム。

「そんな悲しいこと言わないでくださいよ…僕はサラムが強い子だと信じてこの神から授けられし雷の細剣を渡します」

「もしかして戦うの?…俺様武器とか持ったことないし…」

渋々細剣を受け取るサラム。
少しでも訓練を受けるべきだったと後悔する。

「ここのアジトにいる子たちとデスマッチをしてもらいます。最後の一人になるまで終わりません。」

「俺様絶対に死ぬじゃん…!へーリオス…守ってくれないのか?」

圧倒的不利な状況に絶望する。
頼みの綱のへーリオスに助けを求める。

「すみません…ラグースの伝統行事なので、僕にはどうにもできないのです…ラグー様のご意思なのです…

…サラムはできる子!頑張ってくださーい!」

「この薄情者ー!!」

無責任な言葉と共に訓練場に放り投げられるサラム。
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