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問題児と苦労人

「いやだ!やらないぜ!!」

「うーん…困りましたねぇ…」

ここはラグースのとあるアジト。
10歳ごろのピンク色の目をした金髪の少年は頑なにドアにしがみつく。
黄色の目をした青髪の青年は困ったように金髪の少年の頭を撫でている。

「サラム…そろそろ言うこと聞いてくれないとラグー様が怒っちゃいますよー」

「へーリオスが守ってくれるもん」

「…仕方ないですね。明日からちゃんと訓練しましょうね」

「さすがへーリオス!話が分かる!お前のことは大好き!」

そう言いその場から走り去るサラム。
へーリオスは微笑みながら手を振る。

「馬鹿かお前は」

「あだ!…これはこれはネフェレー。あの可愛い笑顔見ましたか!大好きって」

いつの間にか後ろにいた紅色の目をした金髪の青年に頭を叩かれるへーリオス。
気にすることもなく顔を緩ませながら嬉しそうに話す。
ネフェレーは引いた目でへーリオスを見る。

「…あのガキどこで拾ったんだ」

「ヒューストですよ」

「…ラグーはそれを知っているのか?」

「知っている訳ないですよ。知られた瞬間僕は消されますね!ラグー様が大事に大事にしていたヒューストへの鍵を使って行っただなんてね」

「……お前なんということしてんだ…」

「好奇心には敵いませんね!ただ、未完成な鍵だったので一瞬しか行けなかったんですよね。一瞬でサラムに出会えて連れ帰った僕はすごい運の持ち主だと思いませんか?」

「…一瞬で地獄に連れてこられたガキが可哀想だな」

「可哀想なのでヒューストにいた頃の記憶は消しときました。
…あの美しいキラキラとしたピンク色の目…ラグー様と同じ目をしている…!神に感謝!」

「…あのガキは人間だ。ラグースにいたらすぐに死ぬぞ」

「無慈悲なネフェレーが子供の心配を…!大丈夫ですよ。大きくなるまでは僕が守ってあげます」

「…強い奴だけが生き残る。弱い奴は死ぬ。明日、このアジトにいるガキ共の選別をするぞ」

「やっぱ無慈悲!…まあ、ラグー様のご意思なので仕方ないですねぇ…サラムが生き残ってくれることを信じましょう」

「それはないな。このアジトには強いガキがいるんだからな」

「はぁ…僕の癒しの時が終わっちゃうんですね…」

そう言い、その場から立ち去るネフェレー。
へーリオスは悲しそうに空を見上げる。
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